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情報工学科、イタリア留学。

 慶應義塾大学理工学部 情報工学科の熊熊です。現在イタリア パヴィア大学にて1年間の交換留学を行っています。
 将来留学を考えている理系の高校生、大学生の参考になればと思います。文系の留学生については情報がヒットするものの、理系は情報が少なく、渡航前にとても苦労した覚えがあります。私の文章が海外に興味がある人の助けになれば幸いです。


 ここでは留学を決めた理由、目標 / 一般に留学を通して得られることを示します。今後はイタリアという国と私の関係、情報技術の最近の動向とその応用、奨学金、留学で苦労したことなども深く掘り下げて書きたいなと思っています。

1. 留学の理由

留学を決めた理由と目標

 英語で専門を学びたい、ヨーロッパの文化を知りたい。この二軸で話します。
 まずは学術的な興味について。
英語で専門的な内容を勉強したい、そんな思いで留学に応募しました。目標は授業で受講している分野について英語で説明できるようになること。ほとんどの情報技術に関わるリファレンスは英語で書かれています。慶應の講義でも英語の論文を読んで解く課題があったりしましたが、基本的にはレアケースです。英語単体の必修の授業、一般教養の授業は履修可能ですが、情報工学科としての英語の授業は院でのみ開講されています。なにをしようにも英語で学ぶしかない!そんな環境に身をなげうってみたくて、留学を決めました。
 次に、私個人としての日本以外の国に対する興味です。言語に対する興味と文化に対する興味の二つに分けて話します。(いずれも人に対する興味であることには変わりないですが笑)
 まずは言語面から。日本語以外の言語で仲良くなりたい。目標としては、様々なイベントに参加し、イタリア人、各国の留学生と仲良くなること。祖母が国際的に支援を行う財団で働いていたこともあり、小さい時から様々な国の友達(正確には当時の感覚からすると"大人"でしたが)と出会う機会が多くありました。必然的に英語を話す機会は多かったです。幸いなことに英語で意思疎通する快感を味わう機会に恵まれました。
 文化面としては、根っから根まで完全に日本人で、日本が大好きな私として新しいことに触れてみたい、という気持ちです。目標は一年通してイタリアでの生活の様子を知りつくすこと。異なる文化を体験することは、日本ではできないことです。街中での人々の会話、生活様式、食事、休日の過ごし方、祝日、全てが異なるに違いありません。彼らがどんな暮らしをしているのか身をもって体感することで、新たな地平線が見えてくるのではないかと考えました。
 ちなみにここまで一回もヨーロッパ、ひいてはイタリアについての興味の理由を書いていませんが、ヨーロッパもイタリアも大好きです。それと同時にヨーロッパだけに興味がある、というわけではなく、連続する興味のうちの通過点の一つでもあります。いろんな国で生活してみて、いろんな体験ができればいいなと思います。イタリアという国と私の関係についてはまた今度書こうと思います。

2. 留学生活の思い出

 イタリアの文化や人々との交流、授業や普段の生活、旅行など。学術的な話や大変だったことはあとに回して、楽しかったことをここに書いてみます。

イタリアでの生活

 ミラノのような大都市ならば英語はある程度通じますが、基本的にはイタリアはイタリア語圏、私の住むパヴィアはこじんまりとした街ですから、最初はパンさえ買えずに苦労しました。でも長いこと住んでいると、必要な表現は勝手に覚えていくし、お店でお会計をする、料理を注文する表現は身についていきますね。顔なじみの店員さんに会って軽く会話できた時はそれだけで一日が楽しくなります。(これからもイタリア語、頑張ります!)
 大学内では基本的に英語が通じます。年上の院生と授業をとっているので、働きながら(インターン/本業共にいます)講義を取っている人もいました。英語が流暢で、知識も豊富で尊敬します。グループワークで一緒にプロジェクトに取り組んだり、家でピザパーティ、寿司パーティをしたりと沢山楽しい思い出ができました。

友達との旅行

 イタリアはカリキュラムのスケジュールが日本や他のヨーロッパの大学と比較して遅いので(授業10月スタート)、9月初頭に入国した私はイタリア国内を旅行する機会に恵まれました。ESN(Erasums Student Network)という留学支援団体主催の旅が企画され、各地を回ることができます。(会員カードを持っていると航空券の割引など特典が付いてくるので、ヨーロッパ留学に来たなら取って損はない。)
 その後も新しくできた友達と各地を回ったり、日本にいた時の友達の家にお邪魔したり。私の家にも誰か来てくれるといいなあ。
 イタリアだけにとどまらず、ヨーロッパ全土制覇目指したいです。

スペイン セヴィリアのスペイン広場
イタリア フィレンツェの夜景
フランス ニースの海(9月中旬)

3. 留学から得られた学び

学習面で得られた学びを書いてみます。今後は生活面での学びや苦労したことも書こうと思っています。

専門の講義について

 ほとんどの授業が少人数の授業の為、発言の機会が多く、教授との距離が近いことが良い点として挙げられます。また、情報工学という学問の特性上、基本的に日本で学ぶ授業とこちらで学ぶ授業は、同一のバックグラウンドを基に展開されます(コンピュータアーキテクチャの授業なら、だいたいはRISK-Vの命令セットアーキテクチャの話などから入るはずです)
 そのため、ある種日本で受講していた授業と相互補完的に講義を受講できました。院の授業なだけあって、学部の講義よりも詳細を学べるのですが、その時の講義資料を読み返して、当時日本で受講していた時はわからなかったことが分かるようになることが嬉しかったです。
 また特にクラウドコンピューティングという授業は慶應では存在せず(2025年2月現在)、実験のみで経験できる、という形だったので、こちらでは実務ベースでより深く学べたことに満足しています。
 詳しい内容はまた後日書きたいと思います。聞きたいことがあれば聞いてください。

語学について

 英語で会話する機会が増えたことはありがたいことです。日本にいたら英語を使う場面はそうそうありませんが、こちらでは英語だけがこちらの意図を伝える、相手の意図をくみ取る命綱です。こんなに英語が頼りになると思ったことはありません。
 イタリア語は、講義を取っていたとはいえなかなか話すのが難しいです。まだまだ自己紹介、買い物、注文の域を出ませんが、大学のホームページやメールの半分はイタリア語なので、それを読むことはかなりできるようになりました。イタリア語ネイティブの友達も、私がイタリア語の勉強をしていると知ると、イタリア語だけで連絡をとってくるようになったりと、協力してくれるので助かっています。
 語学は継続するしかありません。きっと日本にいても、海外にいても続けられる人が伸ばしていけると思います。一緒に少しずつ頑張っていきましょう。語学試験などについてもまた今度書きたいですね。

4.留学を考えている人へ

まとめ

留学の理由と目標、思い出や学びについて書きました。かなりざっくりとしたまとめになってしまいましたが、今後それぞれについて深く書いていけたらいいなと思います。
英語で専門分野を学習することは、アクセスできる資料が増える、ということでもあります。文系だけでなく理系でも留学に行ってみよう!と思ってくれる人が一人でも思ってくれる人が増えれば幸いです。


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