「#旅のようなお出かけ」企画に参加してくれたリチャードさんの「こんな旅ができたら」を読んだ感想。
今回は5弾め。私は企画の記事にも書きましたが、普段小説をあまり書かないような人に、この企画への参加をしてほしいという気持ちがありました。その理由は、私が毎日小説を書くのが「楽しいから」です。その楽しさを体験してほしいということなのですが、今回のリチャードさんは正しくそのような方。小説を書いたことが無いけど、旅が好きな人が書いた小説は、次の作品でした。
1、出来る男・国際的ビジネスマンの休日
いきなり、どこかのクライアント相手にプレゼンを終える主人公の会話から始まる物語。1か月かけて競合他社から案件を取るための努力したとりあえずの到着点です。後は結果を待つばかりでこればかりはどうしようもない。結果を待つまでの1週間。さて、ちょっとゆっくりしようと思ったところで、彼は、タイ・バンコクへの週末旅行を計画します。
そして、彼が並のサラリーマンではない、一流のビジネスマン。できる男ぶりがここで全面ににじみ出ています。ひとりで行ってもつまらないとかつての同僚たちに連絡を取り合いますが。そのメンツがすごい。ひとりが香港在住で日本語に精通している中国人。もうひとりが日本人だけど出張でバンコクにいるのだという。もちろん今はネットを駆使すれば海外とも気軽に連絡が取りあえる時代ですが、そんなリアルタイムで、日本、香港、バンコクと違う所にいながら週末バンコクで一緒に過ごそうというやり取り。国を股に掛けた国際的ビジネスマンは、出来る男たちという感じです。
※香港の人は「彼」とあります。しかし主人公ともうひとりの性別は明記されていません。ただ流れとして、ここでは男三人と想像しました。
2、観光をしない滞在型の過ごし方
2020年春以降は取りあえず横に置くとして、近年はLCCなども一般化して本当に気軽に海外に行けるようになりました。それでも初めて海外という人も多く、普通そうなると旅行先では有名な観光にを目指します。バンコクなら王宮や暁の寺・ワットアルン。少し離れた水上マーケットやアユタヤ遺跡あたりがそれに該当するでしょう。
しかし、出来るビジネスマン。主人公たちはそんな観光でバンコクに行くのではありません。後の記述にもあるように、ホテルを中心とした休暇としての滞在。現地集合、現地解散とあたかもどこか隣の県で落ち合うような気軽なノリが、彼らのビジネススキルの高さがうかがえるようです。
さりげなく、ANAを使っていくバンコク。恐らくは「マイル修行僧」のようなことをしなくても、十分なマイルを保持。上級会員として快適な空の旅を演出しているように感じます。ひょっとしたら普通にビジネスクラスを使っている?そんな情景も頭に浮かびました。
3、東南アジアの香りを感じつつ過ごすレストラン
うわぁ、蒸し暑い!そして、この独特の匂い。まさにバンコク。この瞬間がたまらない。
この記述がいいですね。私も似たようなフレーズを使うことが良くあります。こればかりは実際にバンコクとか他の東南アジア諸国に旅をしないとわからない世界。日本の夏も非常に暑いですが、その暑さと東南アジア圏の熱さは明らかに違う。独特のにおい。何らかのトロピカルフルーツのフレーバーが熱風に紛れ込んで感じられる。東南アジアに来たという喜びが、全身を覆います。
そんな空気を感じながら、ホテルに入ると別荘地に来たようにリラックス。気の利いた音楽を流しながら、くつろぐひとときが流れます。さて主人公はあのプレゼンのために奮闘した日々。そして戻ってから聞けるであろう「吉報」のことを頭の片隅に思い描いているのでしょうか?
そしてレストランで再会する三人。タイのビール片手にお互いの近況を語り合いながらも、さりげなくビジネスの話をぶつける。リラックスした空間でも情報収集を欠かさないあたりが、出来る男たちを演出しているように見受けられます。
さてこのレストランはどんなレストランなのだろうか?そこまで詳しく書いていませんが、どちらかと言えば民族音楽が流れるような伝統料理の店というより、地元のバンコクの人も使うようなお店かなと。イメージとしては野外のレストランで、魚が水槽で泳いでいるような海鮮系の店か、鶏を炭火で焼いた「ガイヤーン」とかを置いている店。プラスチックの椅子に座り、ルークトゥンとかモーラムのようなタイの大衆歌謡のような音楽が流れる空間を連想しました。何軒も店に行ったようですが、さてホテルに帰ったのは何時ごろでしょうね。
4、ビジネスマンの宿命、予定より早い帰国へ
日本での苦労が吹き飛ぶような常夏バンコクで過ごす日々。しかしできるビジネスマンがゆえの連絡が日本から飛び込んできました。それはプレゼンが成功した報告と、早くもクライアントとの打ち合わせがあるという。予定を切り上げて日本に戻ることになってしまいました。
出来る男は忙しい。これも宿命と思い、短い休暇に別れを告げることになります。もう一日だけ楽しみ、帰国の途に、ANAの中ではリラックスモードからビジネス戦闘モードに切り替える十分な時間がある。そして次の旅は。
5、もし私がこの小説書いたら?
さて、私がこの小説を書くとすれば、大好きな東南アジア圏の物語なので、つけくわえたいところもいくつか。2つほど書いてみたいと思います。
ひとつめは、移動中。例えば日本もしくはバンコクで、初めて海外旅行をした団体が近くにいる。彼らは当然未知の国で目を左右に期待と不安に満ちています。それを見ながら「俺にもあんな時代があったなあ」なんて頭の中で呟くのを入れて、主人公の旅スキルの高さを強調するかもしれません。
あとひとつ。レストランでしょうか?シンハービールというビールは出てきますが、料理の記述は欲しい気がしました。有名なタイ料理を書くか、ローカルな料理で攻めるか。それによってレストランがどういうところなのかが、見えてくるような気がしました。
まとめ
リチャードさんは、旅のサークルを運営されておられ、私もそれに参加しております。そして彼が発する旅に関する質問に答えるのです。何を隠そうこの企画でいち早く参加してほしいと思っていたのがリチャードさん。私の方から誘いの言葉を出すことなく参加して下さり。本当に感謝します。
あと、この作品を読みながら、旅と小説って相性が良いのではという気がしました。旅の行動が小説のストーリーで、旅の立ち寄る場所がプロットの様なものでしょうか?もちろん主人公は旅を行う人で、脇役が旅先で出会う人たち。
おかげさまで、私は200本の小説を書きましたが、今回小説を初めて書いたという作品を見ながら、おごり高ぶること無く初心者の気持ちで楽しい小説を書いていきたい。そのように感じました。
※事前エントリ不要! 飛び入りも歓迎します。
10月10日までまだまだ募集しております。(優劣決めませんので、小説を書いたことが無い人もぜひ)
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