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「#旅のようなお出かけ」企画に参加してくれた、 The world is your oysterさんの「#旅のようなお出かけ」を読んだ感想。

 ぼちぼちと企画も進み、気が付けばあと1カ月を切りました。参加して下さった方に対して、私は批評ではない完全なる個人的な感想を書いています。そのなかで一番よかったのは、この企画が無ければ出会わなかった人が何人もいてその人たちの作品が見られることです。
 第14弾目のThe world is your oysterさんも、そんな新しく出会えたひとり。私も他の人の企画でたまにやるテーマへの直球タイトル「#旅のようなお出かけ」です。


1、理屈っぽい男の憂鬱

 主人公の男性は、どうやら理屈っぽい人のようです。それでいて鳳凰が生まれるような暑さと表現されるなど多彩な感性をお持ちの方。そして非常に知識を持っています。本来はご先祖への尊敬や感謝を考えるはずのお盆休みなのに、世間がこのような利用方法をしていることに不満があります。でも本音として、せっかくの連休だからと、どこか旅にでも出ようかと頭の中で浮かんでは消えています。
 友達も誘ってくれればよいものの、そんなこともなく自分たちが楽しんでいる報告だけ送りつけられたものだからややご立腹。長期の休暇はそんな主人公に飽きと暇な時間を提供し続けます。

2、旅の計画も挫折ならばプロに委ねよう

 夏の暑いのは苦手。でも暇だしならばと、ひとりでどこか旅に出ようと考えます。最初にお盆らしく墓参り、次に他府県への寺院巡りを計画。連休を意味なく楽しむのではなく、日本人として日本の文化にも触れられ一石二鳥だと思いました。ところがそもそも1県にある寺院の数を、きっちり理解せずに3日で疲れ放ってしまったのです。

 するとテレビで語る美人アナウンサーの目が入りました。「おひとり様旅行」というものが流行っているのだという。そのプランを説明している内容。「ひとり旅もいいな」誘ってもらえず半ばすねていた主人公は、残った連休で旅行を検討すしてみることにしました。でもWebでは情報が多すぎる。「よしプロに委ねてみようか」と、旅行代理店にお出かけすることになりました。

3、旅行代理店スタッフとの綱引き開始

 ということで旅行代理店に入った主人公。最初の挨拶など定番の言葉で話しかけてくる女性スタッフに、主人公は詩人のような威厳ある質問をぶつけます。主人公は理屈っぽい人物。ここはある程度、想定通りの動きをしたのか、スタッフがめんどくさそうな表情になるのがわかります。またその人物の表情を見つけるのが得意。

 具体的に行きたいことやりたいこともわからず、相談したことに戸惑うスタッフ。ここでスタッフが入り立ての新人やアルバイトとかのレベルなら、主人公の前にあっさり撃沈されてしまうのでしょう。
 ところが、このスタッフはそのレベルでは無くどうやらプロフェッショナル。パンフレットを手渡すと、切り口を変えた質問をします。結局北海道を提案してきましたが、安易に提案したと思ったのか、なぜ北海道を提案した理由を主人公は質問攻め。それに対して気温が低いからというものの、北海道も真夏日ではないか? 
 主人公は少し不満でしたが、ここは大人の対応で抑えます。そして相手は石狩エリアを進めてきました。

「お手本のようなルートだな」私は気が利かない奴なので、感想を率直に述べた。すると店員は得意げな笑顔を見せた。可愛い。

 と主人公の言葉。どうやらこのあたりから、このスタッフに対して理詰めで攻めつつも魅力的な何かを感じ取り始めます。

4、スタッフのプロ魂の前に

 とはいえ主人公は、ルートへの質問について追及。安易なやり取りは撃破して行きます。自信の無いプランを進めるな、楽しくなかったときの責任の所在は?と、主人公は容赦なく指摘します。スタッフも「ずかずか入ってくるな」と反撃。このあたりのくだりは、漫才とかコントを見ているかのような雰囲気です。

 そしてスタッフはとっておきのプランを勧めてきます。ここからがプロ魂を発揮しました。グルメを主体とした独特のプランを勧めてきますが、ここでジェスチャーを投下。議論なら負けない自信のある主人公もこの臨場感あふれるジェスチャーの前になすすべもなく引き込まれます。
 本当にそこで北海道のグルメを堪能しているかのような、臨場感あふれる語りとジェスチャー。もう完全にコントになっている世界です。主人公も完全に彼女のペースにはまってしまいました。これこそプロフェッショナル。ついにはネットスラングまで飛び出し、あまりにもリアリティがあるためか、とうとう本当に空腹を覚えた主人公。
 加えてここまで理屈っぽい自身の話についていき、会話が弾んだだけでなく、その表情の可愛らしさにも引き込まれてしまいます。

 完全にスタッフに惚れてしまった主人公。ついに禁断のひとこと。
「あなたと一緒に行きたいと」言い出しました。

 それに対するスタッフの答えは? それは主人公以外の人が大方予想できる結果となります。結果的には「旅行代理店の往復」という些細なお出かけが終了しました。

5.もし私がこの小説書いたら?

 そうですね。この場合は、やっぱり女性スタッフ側の心境など少し加えたら面白いのかなと。例えば主人公がパンフレットを見ているときに「さてどういう切り口で案内しようかと」頭の中で考えるとか。あとは最後、主人公が旅行代理店から立ち去った後の会話を入れて遊んでみたい。
「お疲れ様でした」「久しぶりにすごいのが来たわ」「いやあ、横で見ていてどうなるかと思いました」「でも、最近はネットで申し込む人が多くて暇だったから、ちょうど良い暇つぶしになったわ。あ、もうお昼の時間ね」
「どこ行きます」「やっぱり今日は近くの北海道料理店かしら」
 というのを入れてしまいそうです。

まとめ

 あとがきを拝見すると、The world is your oysterさんの旅行に対する思いが書かれています。どうやらスカイダイビングとかスキューバーダイビングをやってみたいとのこと。スキューバーはともかく、スカイダイビングは大空からの落下。私はその映像見るだけでもダメな人間ですが、好きな人にはたまらないのでしょうね。いつか小説の人物にならあり得るか。

 それにしても、途中からはコントを見ているかのような軽快な主人公とスタッフとのやり取りは読んでいて楽しかったです。それから今はネットで航空券やらホテルの手配を済ませてしまうことが多く、あまり代理店には行っていないなあと思いました。たまにはプロフェッショナルのいる代理店で旅の申し込みをしても面白いかも。そんな風に感じました。



追記:今週もこちらの連絡が来ました。これで4週連続ですが、どうやらこの企画を始めてから起きている模様。うまい具合に相乗効果・連動しているようです。

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 せっかく多くの人からスキをいただいて感謝していますが、どうやら私のほうは今夜も無理になってしまいました。申し訳ないですがそういうことでまた明日以降にスキを押しに行きますね。(記事は見に行きます)


第1弾 販売開始しました!


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