偏差値45が公務員になる方法
地方公務員1年目、30歳の私が、公務員になる方法を辛口で伝える。公務員試験対策についてネットに転がる「誰でもできる」「努力すれば合格」などの甘い情報に騙されてはいけない。この記事では、公務員になるための現実的な方法と、あまり知られていない「裏事情」について話す。
結論:公務員は”凡人”が努力で成れる安定職
まず、地方公務員は偏差値45程度の凡人が、努力で社会的地位を得られる職業だ。優秀な人材が志すべき職業ではない。以下を読んでほしい。
1. 能力不足でもなれる職業
公務員試験の倍率は高いように見えるが、これは「なんとなく受験する層」が多いために膨れ上がっているだけだ。実際は本気で対策している人の中での競争率はそこまで高くない。はっきり言えば、勉強が苦手で何のスキルもない人でも、専門学校やオンライン講座に頼れば合格の可能性は高い。
2. 大学卒には割に合わない
もしあなたが偏差値55以上の大学卒で、「成長」や「挑戦」を重視する人なら、公務員を目指すべきではない。公務員は、効率的なマニュアル通りに動き、最低限の努力で安定を確保したい人に適した職業だ。逆に言えば、能力に自信がある人が入ると膨大な仕事量で潰れる。偏差値45の人は優秀な人が代わりに仕事をしてくれるので安心して欲しい。
公務員になるための戦略
1. 独学は効率が悪い
公務員試験は、「独学でも突破できる」という甘い言葉に惑わされるな。確かに独学で受かる人もいるが、時間と労力を膨大に浪費する可能性が高い。専門学校やオンライン講座を使うべき理由は以下の通りだ。
• 試験範囲が膨大で、独学では何を重点的に学ぶべきか判断しづらい。
• 面接対策や論文添削など、経験者からのアドバイスが必須。
• 模試などで受験の「本番感覚」を得られる。
おすすめは、オンライン講座のような費用対効果が高い方法だ。特に社会人受験生なら、学校に通う時間すら惜しいはずだ。独学でも大丈夫なレベルの人はそもそも公務員に向いていない。
2. 受験先を絞りすぎるな
「地元の自治体にだけ受験する」という考えはリスクが高い。倍率が予測できない以上、少なくとも3~5つの自治体を受験対象にすべきだ。自治体ごとに出題傾向や面接の雰囲気も異なるため、対策も幅広く行う必要がある。
3. SPIや論文試験の本質を知れ
• SPI(教養試験)
SPI対策本を永遠に解く。基本的にはパターンが決まっているので、そのパターンを理解もしくは暗記し、スピード感を持って解けるまで繰り返し行う。
• 論文試験
内容が浅いものはすぐに落とされる。受験する自治体の課題(少子高齢化、防災、観光政策など)について具体的な提案を含めた論文を準備しよう。テンプレートに頼りすぎると、面接で突っ込まれて終わる。
• 面接試験
面接は「やる気」や「地域愛」を見せれば受かると考えるのは大間違い。自治体の課題に具体的な意見を述べられるかどうかが問われる。暗記した志望動機では面接官を納得させられない。
知られていない裏事情:公務員試験の現実
1. 採用の基準は能力よりも”安定性”
地方公務員は、能力の高さよりも「波風を立てずに仕事を続けられるか」が重視される職業だ。つまり、採用試験では尖った発言や過剰なアピールは逆効果。「協調性」と「無難さ」が武器になる。優秀な人はその武器をアピールしても良いが、優秀な人に公務員は向いていない。
2. 面接は形だけではない
公務員試験の面接は形式的なものだと思われがちだが、地方公務員の場合、面接での「フィルター」が大きい。要するに、面接でしっかり自治体への理解と意欲を見せられないと即アウトだ。
3. 試験勉強のバランスが重要
教養試験の勉強に時間をかけすぎると、論文や面接で失敗する。逆もまた然りだ。効率よく点数を稼ぐための戦略が求められる。
公務員はこんな人に向いている
適している人
• 偏差値45程度で、多少の努力で安定した生活を求める人。
• 勉強が苦手でも、実直にコツコツ取り組める人。
• 地域に貢献したい気持ちはあるが、仕事に人生を捧げたくない人。
適していない人
• 偏差値55以上で、高収入や挑戦的な仕事を求める人。
• 成長や自己実現を重視する人。
• 自己主張が強く、組織のルールに縛られるのが苦手な人。
最後に:公務員試験を目指すなら覚悟を持て
公務員試験は、確かに「凡人でも努力次第で突破可能」な試験だ。しかし、それには効率的な戦略と自治体への深い理解が必要になる。甘い情報や「独学でいける」神話に惑わされることなく、確実な準備を重ねることが合格への近道だ。
公務員は、特に地方では「偏差値45でも勝ち組」になれる希少な職業だ。ただし、それが自分にとって最適な選択なのかを冷静に考えた上で、受験に臨むことを勧める。