355
ミッションインポッシブルや007、男性の諜報員の映画は数あれど、女性ばかりの諜報員チームがビッタビタに攻めまくる。それが355だ。
1人でも主役をはれる女優が5人も!揃いも揃って男勝りのエキスパート達だ。その女優達を、私がこれまで観た映画とともに紹介しよう。
◆范氷氷 (中国代表)
(びんびんの漢字はちょっと異なる) 向かって右端
眼ぢからがまぶし過ぎる中国の美人女優。2018年巨額脱税容疑で中国当局に逮捕され消息を絶っていたファン・ビンビン。あの”東洋いち美しい瞳“を銀幕でまた見られるのだよ。カムバック作として上等じゃないか。
[孫文の義士団(2009)] では紅一点で芳香を添えてたし、[ロストイン北京(2007)]での体当たり演技も良かったし、[マイウェイ 12,000キロの真実(2011)]はその眼ぢからで哀しみを表し…と、東洋人である私は、本作ハリウッド映画でみごと復帰したファン・ビンビン推しなので、熱く語ってしまえるが、他のキャストも豪華だ。
ただ、本作ではステレオタイプな中国チック衣装にがっかり。真っ赤な巨大肩パッドのドレスはあんまりだわ。中国の諜報組織員は数わんさか登場するが雑魚ばかりで面白くなかった。
◆ダイアン・クルーガー(ドイツ代表)
左端の金髪女性。
実生活でも独語以外に仏語・英語も堪能。
マリー:ドイツのタフな一匹狼・黒革で颯爽バイクの逃走劇がイカす、爆薬のプロでもある。
代表作:女は二度決断する(2017) 怒り、めらめら超カッコよかった。
自己ブログで僭越だが、ダイアン姐さんはこの映画でも侍だった。https://blog.goo.ne.jp/cho_o/e/13f607969dc532e011b057079ab542dc
◆ペネロペ・クルス(コロンビア代表)
左から二番目。
グラシエラ:心理セラピスト、母国のために善意で請負った出張が、思わぬ流血の波乱に巻き込まれる。夫と子供のいる母親役。
若い頃は共演男性キラー⁈40代を迎えさらに美しく妖艶な女優さん
オリエント急行殺人事件(2018)↓ 誰もがそれを知っている(2019) ◎
◆ルピタ・ニョンゴ(英国代表)
右から2番目
ハディジャー:英国MI6の天才コンピュータ諜報家。婚約者との将来のため足を洗ったはずが旧知の友に懇願され、機密兵器奪回に駆り出される。
それでも夜は明ける(2013) アス(2019) どちらも迫力あり、今もっとも旬な女優のひとりであろう。スターウォーズやブラックパンサーでも存在感あった。
◆ジェシカ・チャスティン(アメリカ代表)
ごめんなさい。センターの彼女だけ出演作を観てなかったのよ。
”メイス役の女優さん 誰、それ?知らんわ〜”
ところが、映画が始まるとストーリーに引っ張られていき、彼女のロマンスや上司や同僚とのこじらせ&ねじ曲がり関係に、なるほど、そうだったのか、やっぱりね〜、うむうむ。と独りつぶやきながら全編かっ飛ばした。
面白かった! ”ジェイソン・ボーンの制作スタッフが結集”のキャッチコピーは嘘じゃなかった。
最終闘争で使用される銃の種類はちんぷんかんぷんの私だが、旅モノ好き、多言語・多民族好き、裏切り者の真犯人暴き好き、としては文句なしの作品である。男性スパイが主人公の時に挿入される「うっふん♥」タイムが無いのもドライでカッコよかった。
そして、鑑賞後あとからフォローした、355公式ツイッターでは
ジェシカ・チャスティンのフェミニスト姿勢に好感が持てた。
主演だけでなく製作やキャスティングまで、なんて女性なの。
出産後初の映画出演だったダイアン・クルーガーにはとても嬉しかっただろう。彼女はインタビューで 共演した5人の出演ギャラは平等だった、と答えている。まだまだ男女差別や民族差別については旧式の映画産業界と聞くが、ジェシカ・チャスティンがカンヌ映画祭にて審査員スピーチにいたく共感したので記しておく。
355 ★★★★☆
(2021) 米・英合作