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読書録

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ミステリが好き! 自分の読後録と,心に刺さった読書感想をあつめています。三年半かけて「芥川賞ぜんぶ読む」,ひと月一冊は読んでるものの文字おこしが遅々として進まず...。
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2022年11月の記事一覧

芥川賞ぜんぶ おらおらでひとりいぐも

芥川賞をぜんぶ読むぞ、と言いはじめて早6ケ月。 ちっとも読めてないやん、嘘つきめ!の声が四方から発せられているが、実は月に二冊はしんどいので月一冊ペースで読んでいる。遅い、でもちゃんとゆっくり進んでるから見守ってやってください。 おらおらで ひとりいぐも なんとカッコイイおばあちゃんなんだろう。 家を飛び出し、好きな男と結婚し、二人の子供を育て上げ、満ち足りた日々。そしていま、頭の中の大勢のひとと「老い」と共にいきる。 「老い」と「自由」が同義語のように語られるなんて今

皆既月食と天王星が重なるタイミングで読んだ、月の裏側の話。月に追いつかれパラレルワールドに落ちる話。月齢に比例し、闘魂パワーがみなぎったり、自死をうながされるほど凹んだりを繰り返す人びとの話。私好みではないが、月夜を見上げながら想像を膨らませるのも悪くなかった。#残月記

10月の読書。異常 /セレモニー /すみれ荘ファミリア

異 常 アノマリー 発刊以来、話題をさらっている「異常」という翻訳ミステリー。 ”ネタバレ禁止、あらすじ検索は絶対しないでください“ ものものしい反響だったり、読み終わった読者だけのミーティングが催されたり、2022年ベストの一冊と著名人が推薦したり、装丁の帯が斬新だったり。これはもう買って読むしかない!と、ふだんは図書館&古本屋専門の自分だが、新刊を買って読んだ。装丁も凝っており注目度抜群だ。 民族や国籍や居住地がバラバラの個体が交差する群像もの、かつキャラクター各