あまり転職しない技術屋が転職する日本になったら?
こんにちは、ヨシキです。
私はもともと設計や研究をする予定だったバイヤーです。
しばしば、自分もやり取りしているあっち側の人間だったのかなと思うときがあります。
そんな技術屋さんってあんまり転職しないイメージがあります。
10年やってようやく1人前とか言われているせいもあるかもしれません。
大転職時代(適当にネーミング)と言われている中、
なかなか重たい腰が上がらない人材だと思います。
そんな彼らが転職をするようになったら、プロセスの見える化が進むのではないか?
というお話です。
--- 約3分で読み切れます ---
設計部門の負の連鎖
購買業務を3年やってきて感じる違和感がある
たまにサプライヤから、
「~の部分をなくすことはできないんですかね」
「そしたら、その分のコスト抑えることができるんだけどなぁ」
と、言われることがある
(このように提案力のあるサプライヤは重宝されがちである)
これを設計へ問い合わせると、たまに
「~は昔からそうで・・・」
「~だと実績があるから・・・」
という回答を頂く
入社して浅かったころは、食い気味でかみついた。
「意味もわからずに設計するんじゃない」って
つまり、なぜその形状なのかわかっていないのだ
ただ、彼らも可哀想なのだとやり取りをしていくうちに気づいた
よくわからない設計がなされるプロセス
メーカーの開発プロセスには、2つある。
・フルモデルチェンジ
・マイナーチェンジ
言葉自体は聞いたことあるだろう
前者は、言葉通り、開発コンセプトから作りこみ、ほぼすべての部品を新規で起こす
一方、後者は既存の機種の一部を変更するというものだ
フルモデルチェンジは、相当な時間とお金がかかるため、あまり行われない。
マイナーチェンジであれば、一部を変更するだけなので、少ない人員で最大の効果を求められ、企業にとってコスパはいい。
問題は、このマイナーチェンジでしばしば生じ得る(と予想している)
例えば、次のようなプロセスだ
過去の似たような案件で使った図面を流用する「流用設計」をよく行う
(兼用部品とも言う)
これはこれで、新しく設計するよりも効率的、
かつ安定品質(過去の実績を使うという点で)で、メリットはある
しかし、前例踏襲で考えもなく使い続けると、そのうち、
なぜそうなっているのか?
どうしてそれだけの工数が必要なのか?
が誰も説明できなくなる。
プロセスの見える化が必要
このような”暗黙知”案件はしばしば生じる。
”本当にこの加工は必要なのか?”
”この同軸度はもっと公差緩和できないのか?”
など。
私が思うに、エンジニアというのは、モノづくりは好きだが、
モノづくりを管理するのは興味がない
匠というのはチヤホヤされるが、
技術伝承やそれを他人にわかりやすく伝えるものを残すことはあんまりしないように思える
もし、この技術者が転職する日本になったら?
それはもう、技術やノウハウの流出ガーという問題も生じうるだろう。
しかし、メリットもあると考える。
組織として、「プロセスの見える化」が促進されるのではないだろうか?
外部から人材が入ってきても、いちいち説明する手間を省くため、
マニュアル化が進むのではないだろうか?
さもなくば、どんどん”暗黙知”が蓄積され、属人的システムに依存する体質となる。
最終的には、この暗黙知がムダなコストとして見える化されるのが理想である。
転職は難しくとも、事業部間の異動はもっとあってもいいのではないかと思う。