ならんで見てたよ
ぽつぽつとフロントガラスに雨が落ちる。
しかし、今日の雨はそれ以上激しくなることもなく、やんだり、またぽつぽつとなったり、まるでそれは何かを試されているかのようだった。
私は駐車場に車を止める。
小雨を気にせず車から降りる。
降りると猫がくつろいでいた。
どうしたんだい。一緒にお前も聞くかい?
私は今から大事な人と話すんだよ。
その人はいつも私の背筋をぴっと伸ばしてくれるんだ。
ベンチに座ると他にも猫たちがいて、私に警戒せずに隣に座り始めた。
お尻を見せて座るとは、なかなかユーモアに溢れたやつだ。
そのかわいいお尻を激写してしまうぞ。
と、思いながらカシャっと写真を撮る。
猫アレルギーなので、ふれることは遠慮することとした。
少し離れた男女の若者グループが私を見て「猫が懐いてるねーすごい!」と話しているのが聞こえる。
私みたいな猫アレルギー持ちがなぜこんなに猫たちに囲まれているのかちっとも訳がわからなかったが、雨が少し強くなったので、車に戻る。
定刻になり、車内で今日のお電話の相手と顔を合わせた。
今日お電話したのはおだんごさん。
もう長いお付き合いになる。
お互いnoteを始めた年が一緒で、同じような業界(医療福祉のお仕事)で働いている。
先日彼女がビョークの本をプレゼントして下さった時に、おだんごさんの事は記事に書かせて頂いたので、そのあたりのお話は今回割愛させてもらう。
まず、彼女は私が車にいることを気にされていた。
「大丈夫なの?くまさん」と言われたので、彼女と以前話題に出た、とあるドラマに出てくる橋のたもとにいることを伝えた。
私は今日、何となくこの景色を彼女に見せたかったので、車から降りて携帯電話越しに風景を見てもらう。
おだんごさんは笑顔で喜んでくれていた。笑顔がとてもチャーミングである。噂通りの小顔ぶりが画面越しにも伝わってくる。
そして、さきほどまで私の相棒だった猫も見てもらう。
猫はすました顔をして写っており、おだんごさんも「猫だぁ」と私に付き合ってくれた。
そこから話は始まった。
私の今日の目的はおだんごさんに
「私は大丈夫だから」
を伝えたかった。
私はnoteで無理なくやっている。
自分の好きなように書き
好きなように交流し
好きなように請けおっていることもある。
みんな好きでやっている。
これ以上ない自分勝手ものだということを伝えたかったんだと思う。
私のnoteは書くまでは何が出てくるかわからない。
書いてみてもよくわからない。
そしてコメントを頂いて初めて自分の気持ちがわかることもある。
余計話が膨らんでしまって、わからないが広がる事もある。
でもそんな事を非常に楽しんでいると伝えた。
おだんごさんはそんな私を全部わかっていた。
「うん。心配してない。大丈夫だと思ってるよ。」
「信じているよ。」
としっかりと目を見て言われた。
私は「伝わっていたな」と思い、彼女にそうつぶやいた。
人への関わり方のスタンスが違っても、それを押し付けることのない心地よさ、私たちは同じように相手を心配しつつも、違う方法でそれぞれいろいろな人へエールを送っている。
どちらがいい、悪いではない世界を話せること。
それはどんなに開けた景色なんだろうか。
橋のたもとでお話ししたので
今日は電話で橋がつながったなと思っていたが
橋を渡さなくても
渡らなくたって
お互いに同じ空を見ていたようだ
ということに気づく。
空は広く、透き通って、どこまでも開けているが、どんな色でも、どんな雲行きでも、私たちには同じ望遠鏡があり、その望遠鏡で物事を見ている事が多い。
ケアの世界で同じ孤独を感じていたこと。
伝わらない気持ちにもどかしさを感じたこと。
まわりにあまり話せる人がいなかったこと。
職場や職種を変えて、好きなアプローチを実践できる場がなくなってしまったこと。
待つことが大事な場面があること。
あらためてお話しする。
望遠鏡お揃いだったね。
こうして話さなくても
きっとお互いわかってた。
横で並んで同じものを見ていた事。
記事から充分すぎるくらいに伝わっていたことを私は感じた。
そして「あなたの今後が楽しみである」と伝えた。
お互いに制限がある中で鍛錬し、励まし合い、人に向かい合い続ける事。
私は「あなたがいるから、あなたが頑張っているから、私も力をもらえる」と伝えた。
おだんごさんもそこに同意して下さった。
私達まだまだやれるよね。
おもしろいことも
たのしいことも
まだいっぱい待ってるから
猫じゃなくて
熊だから
ちょっと大きなお尻になっちゃうかも
しれないけど
もう少しだけ隣で
離れていてもお隣にいて
また空を見続けていたい
そんなことを今日は願いましたよ。
お時間頂いてありがとうございました。
※おだんごさんも今回のことを書いて下さったので、よろしかったらご覧になって下さい。内容については恐縮しております。(特にハッシュタグ!)