若い人の「ひのきのぼう」の扱い方に憧れる私はとりあえず「おなべのふた」から始めてみる
今日はいきなり唐突なのですが
若い人の表現力ってなかなか楽しいものですよね。
若い人は私では考えつかないようなことばを使って、自分の気持ちを伝えてきてくれます。それが私にとっては新鮮なのです。聞いていて、耳に残るし、しばらくひっかかっています。「そうか、そうきたか〜」としばらく頭の中でコロコロと転がしてみます。使える語彙が大人より少ないのもあるのでしょうね。
少ない道具(ことば)の中で、ふだん意識せずに使っている何でもないようなものを取り出して、そこに色をつけたり新しいニュアンスを加えたりカスタマイズして、新たな意味合いを持たせているのかなと感じます。
例えるなら「ひのきのぼうってまだそんな風に使えるのね〜」という発見がある感じです。(またオタクが発動して例えが完全にドラクエになりました事をここにお詫びいたします)
今日はうちの娘の話です。
うちの娘はおかげさまで今年度で中学二年生に進級しました。
そして先日は「ワンダヴィジョン」を観て「ワンダー!!」と大号泣していました。(←関係ない、そしてかわいい)
その若者中の若者「ザ・思春期の塊」である娘と話していて、自分では使いこなせないけど気になった単語を2つあげてみたいと思います。
①「もっちもち」
もっちもちは彼女のパワーワードです。
おそらく「良い意味で使われているんだな」と文脈から感じています。
使い方の例としては
「おかあさん、これすごいもっちもち!」
と言われたりします。
振り向くと娘はものすっごい笑顔でパンを食べています。
「マジやばい。超もっちもちで、ナニコレ。うわー!!」と興奮しているのです。
この「もっちもち」という表現で、食べ物の美味しさを精一杯表現しているようなんです。だから彼女の「もっちもち」が出てきたら「これは美味しい!」ということです。ホットケーキとかスイーツ系でよく「もっちもち」が発動しています。
あとは弟のほっぺたを触りながら「もっちもちしてる!」と叫んでいます。
うちの息子は食べ盛りで、昨年だけで10kg以上体重が増えました。どちらかというと幼少の頃はやせていたのですが、今は大変ふくよかな状態になっています。(太っているのを気にしすぎて運動嫌いなのに陸上に参加するとか言い出すくらいです。)
息子は「やめてよー」と言いながら苦笑いをしてますが、気づくと娘は息子の頬やら二重顎やらを愛でて触りまくっています。「お母さん、すごいもっちもちだよ!」とキラキラした目で毎回言われるのですが「嫌がってるからやめてあげなさい」と言うのと同時に『気持ちはとてもわかるわよ...』と心の中でつぶやいています。(好きな人のもちもちしたところを私もついつい触りたくなるタチなので)
②強い!
これは最近出てきたことばです。
普段は歩かない街並みを歩いていた時の事。
「あれ!めっちゃ強そう!」
とある目の前の建物を指差して娘が言いました。
「え?何?強そうってどういうこと?」と聞いてみました。
「え?.....強そうな感じだよ」
と返ってきました。
「・・・・・・?」
全然わからない!
「こう、なんか強そうなんだよ。わーってこう、どうだ!!って感じ」
「・・・・・・・・・・????」
何となくわかったようなわからないような?
他の建物については「あーあれいい感じ!なんかあの柵がいい感じ」
「うわーなんかジブリっぽい感じ!」という感想なのです。
それらを比較して想像してみると「強そう」は「近代的でまっとうな人間が働いてる、威圧感のあるビル」という解釈なのかなと思います。
ちょっと本人の思っている事と違うかもしれないけど、あらためて娘の表現の仕方が面白いなぁと思いました。
私も娘と同じように、普段使っている何気ないことばたちをリメイクすることができるかもしれません。それこそ一番弱い盾の「おなべのふた」のように(またドラクエです)なんでもないことばにスポットライトを当てて新しい意味付けをして楽しんでみることもたまにはいいのかなと感じました。
これを「日本語の乱れ」ととらえて注意することは簡単ですが、家族内で勝手に流行らせて、ことば遊びをするくらいの規模だったら、誰にも咎められないことなのかなと思います。
我が家で流行っている笑いやことば遊びはまだまだたくさんあるので機会がありましたら、また気ままに書いてみようかなと思っています。
今日はそんなところで。