嘔吐
顔が青ざめ、目が血走ってくる。
耐えろ、耐えろ、耐えろ。
眼球が焼けそうだ。
膝の上に滴り落ちた。
真っ赤な花びらが、1枚。
人間がつぶやいた。
「だめだったか。」
その言葉を聞いた途端
目の前が真っ白になる。
気づいたら床が真っ赤に汚れていた。
人間は、ひとつ残らず花びらを丁寧に拾う。
「ちゃんと飲み込みなさい。」
吐き出した花びらは、腐りかけている。
両手いっぱいに盛られているものを
そのまま頬張る。
最後の一枚。
人間は、目を細め、愛おしそうにこちらを見ている。
「あなたは、美しい。」
ああ、私はしあわせだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?