「News Diet」無思考に氾濫する情報を受け止めることは思考力を低下させる
ロルフ・ドベリ著の「News Diet」
を読んだ。
裏表紙を見てみると初版発行が
2021年2月20日で驚いた。
実は同時に5冊本を買ったのだが、
私の中にある微かなミーハー心が
最初に「News Diet」を完読させた。
この本を読む前から1つ疑問に思っている
ことがあった。
その疑問とは
「著者はすでに世界の情報を得た上でニュースを見るのをやめている
もしくは職業上ニュースを見る必要がない
のであって、
事業会社に勤める社会人滑り出しの
ビジネス職の人間がニュースを見るのを
やめるべきなのかどうか」ということだ。
つまり著者の主張が自分にも当てはまる
ものなのかどうかを疑問に思っていた。
本を読む前に裏側の著者の経歴を確認
すると、CXOの経験や起業の経験をした
あとにニュースを見るのをやめている
ことがわかった。
実際に本を読んだだけでは、
私の疑問についての答えは出ておらす、
実験が必要だという結論に落ち着いた。
本の中には実験の実行に値する論拠が
書かれていた。
私にとって特に印象的だったのは
「能力の輪」
「情報を得たことによる自信過剰」
「学習性無力感」
の3つだ。
「能力の輪」
能力の輪の中で活動した方が良い成果を
あげられるという話だが、本書では
能力の輪の外側にある情報は切り捨てて
構わないと述べている。
心に刺さったのは
「専門バカか敗者のどちらかになるしか
ない」という言葉で最近読んだ事業戦略の
本と同じことを言っていると感じた。
能力の輪の中で活動するということは
戦略を持って自分の人生を生きることで、
事業戦略と同じように、
何をしないかを決めることが大事なのだ
と言われたような気がした。
「情報を得たことによる自信過剰」
人は情報を得ると、
自分は知的であると感じたり、
世界を理解していると過剰な自信を
持ってしまうと述べられている。
心に刺さったのは
「世界はそんなに簡単に理解できないこと
を受け入れよう」という言葉だ。
最近の私は確認するニュースの範囲を
広げて、様々な物事の表層をなめただけで
社会を理解し始めたような気に
なっていた。
この本のおかげで勘違いに気づけた。
これだけでも約2000円を払って良かった
と本当に思う。
「学習性無力感」
自分が影響を及ぼせない範囲のニュース
ばかりを見ていると、学習性無力感を
感じてしまい、知らぬうちに受け身に
なってしまうと述べられていた。
学習性無力感はあのネズミの実験の例で
おなじみのやつである。
今までそんな角度から「ニュースを見る」
という行為を捉えたことはなかったが、
確かにニュースを見ることで日々無力感を
学習してしまっているかもしれない。
ちなみにこの本は
ニュースを見てはいけないという話だけを
しているわけではない。
自分の意思と関係なく受け身で情報を
流し入れることは有害だと言っている。
その証拠に意思を持った上での検索は
行うべきだと書かれていた。
また、ニュースについても
すべてが有害なわけではなく、
調査報道や解説については有益だと
述べている。
分かったような気になる満足感を
得るだけのために、短いニュースに時間を
使うのは辞めよう。
代わりに
土台となるような知識を身につけることや
自身で思考すること自体に時間を使おう。
と言っているんじゃないかと感じた。
さて、冒頭で書いていた通り、
自分を実験体として1か月間のNews Dietを
始めようと思う。
※書影は版元ドットコムから引用しました。