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未来の年表とバーチャルウォーター

~未来の年表~ 著 河合雅史

『来年、37才の誕生日がきたら、妻にお小遣いを2000円アップしてもらえる』

さて、この文章のなかで最も確実なのことはなんだろうか。
それは『来年の誕生日に37才なる』ということ(ちなみにお小遣いアップの可能性は12%ほど)。

『年月が経ち、人が年を取る』、その事実のもと日本で起きている現象。
少子高齢化と人口減少。
その結果これから起きることを人口減少カレンダーとして記述している本著。

時間の経過と世代別人口数という確実な数字とともに一年ずつ予想されているので、頭の中ではっきりと各年の場景が可視化されていく。

とくに個人的には2025年、2042年、2050年の3つが鮮明。

社会保障費が増大することが予想される2025年・2042年(2025年=団塊世代が75才以上、2042年=団塊ジュニア世代が75才以上)。
そして世界的食糧争奪戦が予想される2050年。

食糧争奪戦にて触れられていたバーチャルウォーターという考え方が、ハッとさせられた。

バーチャルウォーター=輸入している食料をもし自国で生産したらどれだけの水が必要になるか推計した量。
現段階で日本の年間水使用量と同程度のバーチャルウォーターを輸入しているそうだ。
そういえば、昔、落雷で職場の井戸組み上げポンプが故障したとき、巨大な貯水槽が1日で空になったことをふと思い出した。
豚肉生産にそれだけ大量の水を使っていたんだと、そのときはなんとなく思っていたけれど、当たり前に使っていた水が当たり前じゃなかったことに今回気づく。


ちなみに授乳期の母豚は1日で約30Lの水を飲む。
なので給水器からは毎分2Lの水が出るように設定されている。
加えて豚舎の洗浄水とこぼれ水も考えると相当の水を使っている。


作中の『少子高齢化とは、これまで当たり前と思ってきた日常が、少しずつ、気づかぬうちに崩壊していくこと』の一文にも『バーチャルウォーター』がリンクした気がする。

読み進めていくと、もはや不安事項のオンパレード。
ただ、作中では著者が対策として『戦略的に縮む、豊かさを維持する、脱・東京一極集中、少子化対策』を4つを柱として10の処方箋を提言している。
だが、問題は身近だけれど、対策はどれも壮大で個人がどうこうできるレベルではないと思った。
じゃあ自分にできることは何だろうと考える。

とりあえず、僕がひねり出せた答えは3つ。

【自らの健康を保つこと。子供と一緒に自らも学び続けること。助け合いを意識すること。】

健康であるからこそできることも多いと思うし、子供たちに「今のままだと将来ヤバいから何とかできるように頑張って!」と言うのではなくて、一緒に学んでいくことが大切なんじゃないだろうか。

そして、若者だろうが高齢者だろうがニンゲンである以上、個では生きていけない。

助け合わなきゃ生きていけない。

そんなことを考えていたら、献血をしたくなったので献血ルームへ。

血液=ライフウォーター?
小さい行動だけれど、少しでも未来に繋がればいいなぁと。

 


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