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おしゃれ偏差値を考えた読書会
自分のおしゃれ偏差値は、どれくらいだろう?
先日参加したオンライン読書会で主催者さん(僕よりも年上のダンディな男性)が紹介していた本が、僕にそんな疑問を抱かせた。
《おしゃれ嫌い ~私たちがユニクロを選ぶ本当の理由~ 米澤泉 著》
今や国民服といっても過言ではないユニクロ。
そのユニクロがいかにして日本人に受け入れられ爆発的に広がっていったのかを、日本人の嗜好性や消費の変化とユニクロのメッセージ性を軸に、社会学者の著者が読み解いている作品だそうだ。
何々のブランドを、何処何処で手に入れ、どんなコーデをもってして、いかに注目されるかを意識し続ける。
そんなおしゃれ戦争に、心もお財布も疲れ切ったバブル世代にとって、ユニクロの登場は画期的であったと、僕よりもバブル世代に近い主催者さんは熱っぽく語ってくれた。
その熱に、ぜひ一読してみたいと思ったのと同時に、自分のおしゃれについて考えてみたのだった。
【のり弁当】
子どものころ、『おしゃれか、否か』ではなく『着られるか、否か』の選択肢しかなかった重度肥満の僕。
大学生になって減量に成功し、着られる服は増えたけれどコーディネートはお店のマネキンのコピー。
それでも「モテたい!」と思った時期には、人並におしゃれを気にした。
しかし、当時流行っていた映画『マトリックス』でキアヌ・リーブスが着ていたレザーロングコートがおしゃれの最先端だと思い込んだ僕は、古着屋で見つけた大きめの革ジャンを羽織り、キアヌというより変質者にしか見えない恰好で街を徘徊するという愚行をおかしていた。
現在はというと、身に着けるものはJINS、ユニクロ、しまむらの商品のみ。
配色はほとんどが黒で、タンスの中身は鮮やかさのカケラもないのり弁当のような状態。
仮に菅田将暉のおしゃれ偏差値を80とした場合、僕のおしゃれ偏差値は10といったところだろう。
それでも、まあいいかなとも最近は思っていた。
服を選ぶのも面倒くさいし、なにより本にお金を使いたい。
ダサくても死ぬわけじゃないし、etc.etc.
けれど、主催者さんの言葉にハッとした。
「ユニクロは、機能性・価格面でとてもいいのはわかります。けれど、すべてユニクロで揃えるという行為は、なんだか全体主義的な感じがして私はどうも受け入れがたい。なので、必ず一点は自分のこだわりのブランドを入れるようにしています。せめてもの反逆、小さな意地程度ですけどね(笑)」と主催者さん。
たしかに、大多数の支持を得た服を着るだけなら安心かつ楽だけれども、それでは自分の人生を主体的に生きていない気がして面白みに欠ける。
であれば、おきまりのパターンに、自分のちょっとしたこだわりを適度に塗すことで、日常が今よりも楽しくなるような気がする。
主催者さんが、そうしているように。
まずは、街へ服を買いに出てみよう思う。
せめて、のり弁当ではなくシャケ弁当くらいの彩はあるタンスにすることを目指して…。