老人介護という仕事について
私は令和2年2月にこの職に就いた。
介護の経験も資格もない私が、どうしてこの職を選んだか。
前職で小売業に従事していた私は、数字(売上)を追いかけることに疲れ、
職を離れた。
50代半ばでの職探しは難しく、結局介護の仕事になった。
それは、人と向き合う仕事がしたかったのと、人手不足の業界であるため、
雇ってもらえるのではないかという不純な動機だった。
もちろん、不安がなかったわけではない。
何よりも、他人の下の世話ができるだろうかと思っていた。
私は、最初派遣社員として職に就いた。
そして令和4年4月にその施設の職員になった。
不安を抱えながらの介護デビューだったが、
1か月もするとその敷居の低さに気が付いた。
介護というと、やはりきつくて大変というイメージが定着している。
私も同じイメージでいた。
しかし、実際中に入ってみると、楽ではないが楽しいことも多い。
気難しい方も見えるが、そういう人ばかりではない。
人相手の仕事なのだ。大体の方は好意的に受け止めてくれる。
介護というと、する側としてもらう側の間に、
上下関係がありそうに感じるかもしれないが、それはちがう。
あくまでできないことのお手伝いをしているだけなのである。
だから、できることはなるべくご自分でして頂く。
そうしないと、本当に何もできなくなるからである。
お世話するのではなく、お手伝いをするのである。
人手不足は、給料が安くて仕事がきついというイメージのせいだろう。
給料が安いのは困ったものだが、仕事がきついのは、何も介護の業界だけではない。
また、介護は人相手であるため、毎日がバラエティに富んでいる。
ただ、お手伝いをするだけの仕事である。
もちろん、利用者の方の尊厳を守るのは大前提である。
しかし、会話をしながら、お手伝いをしながらお役に立つ仕事である。
もっと気軽に、肩ひじ張らず取り組める仕事ではないかと思う。
自分にとって天職かと問われれば、わからないが、
少なくとも楽しんで取り組める仕事には違いないと思っている。