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雨 (140字小説)

青い紫陽花が雨に揺れている。

停めた車の窓を水滴が零れ落ちる。

雨は時間を濃密にする。

俺は車を降り傘をさす。

「さあ、降りよう」しかし君は嫌がる。

「ほら早く」君は降りようとしない。

てこでも動かない。

「仕方ないな。前に痛い目にあったしな」

年に一度の狂犬病の注射だ。

俺はそっと愛犬を抱えた。


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