今の時代に合った保育の基礎の伝承方法を知って下さいというお話

 昔ながらの新人の育て方では、殆どの若い保育士に保育の基本を伝承する事はできず、プロの保育士を育てる事は出来ません!と断言します。


 保育園・こども園の経営者や園長や主任は、まずこの事を念頭に置く事が必須です。

《最近の若い人は》などというワードを口に出している間は、保育士が育たないのはそんな言葉を口にする人のせいと考えて間違いないです。

私個人の感覚でのおおよそでの線引きなのですが、1998年以降に生まれた人の生きてきた生活環境と、それ以前に生まれた人の生きてきた生活環境はかなり別ものなのです。

分かりやすく例を挙げるのであれば、13歳の時点で動画サイトやSNSやLINEアプリが存在していたかどうかです。

中学生でも1人1台スマートフォン所有はもう当然の時代になり、スマホでいつでも【ネット検索】【SNS活用】【動画視聴】【音楽鑑賞】【友人との迅速なテキスト会話】が出来る状態に思春期に入る時点でなっているという事です。

【便利】というものは、実はとてつもない《諸刃の剣》で、【便利】は不便ゆえに、得られ無かったものを得られると同時に、得られていたものも奪っていきます。

人は便利に気を取られ見失い易いのですが、【便利と不便】のバランスがとても重要で【便利】が一定以上のレベルを超えると、【便利】から《害》が生まれ、それに知らず知らずの間に侵食されてしまうのです。

思春期から、子どもたちの世界は一気に変化します。心身共に成長過程で不安定になり、色んな刺激に皆が振り回されます。

そこに、先に挙げたスマホの機能やツールがあると、睡眠中以外は脳が休まる時がなくなります。

常に、友達との繋がりを気にしなくてはいけなくなり、常に視覚や聴覚での情報収集をする事なるのです。常に刺激を得ることで中毒性も付随します。

この環境により、様々な物事への価値観が大きく変わってしまいました。
会話・友人という存在の立ち位置・他人からの見られ方などなど。

これに関してはもう30代以下と40代以上とでも十分に違いが生じているといって過言ではありません。
そしてそれは、今の20代半ば以下だと更に大きく違っているのです。

これが1998年以前に生まれた人と以降に生まれた人とでは、思考回路や物事への価値観がかなり違う理由です。

急速な技術発展とその速さに気づかずずっと時代遅れの詰め込み教育のみをしてきた日本の教育によって、30年かけて現状は作り込まれてしまいました。


思考回路や価値観がそもそも違う訳ですから、昔と同じ伝え方をしても伝わらなくて当然で、伝わらないのは伝える側の伝え方のミスによるものと理解して下さい。

この事に、ほとんどの30代以上の人間が気づいていないので、《いっても伝わらない》という短絡的な感想・悩み・愚痴を皆さんは口にするのです。

若い保育士に伝え育てていく方法

❌《文章だけのプリントを制作して、説明をしてはいけない。》
友人や家族とのLINEでの短文によるコミュニケーションの日常化により、長文の読解の機会が日常になく、その能力が低下している日本人が今本当に多いという現実を理解しましょう。
🔺【良い例悪い例の比較写真と短文の説明だけのプリント制作のみにして下さい。】
端的な視覚情報と文章でなければ伝わりません。
⭕️【1番良いのは、端的な説明動画を作り、動画データを配る。】
1番今の時代に合っているのは、動画作成で、音声情報を繰り返し自分のタイミングで確認できる動画で全体に伝える事が、本当は今の保育業界にはとても重要となります。


❌《丁寧で詳細の説明をしてもまず伝わらない。》
これも日々の瞬発的な短時間のSNSチェックや動画視聴をしているせいで、集中力が持続できる時間が極端に短くなっています。
故に、人の話も詳細に聞かされても途中から理解できません。
簡単にいうと、接続詞が2回出てきたらもう伝わりません。
⭕️【まずは形を伝え、正しくないやり方はそのやり方の短所を単純明快に伝える。】
まず正しい姿勢や動きをやって見せる。その後ダメな例も実際に見せながら短所を単純明快に伝える。


❌《訂正・修正のアドバイスをしない。》
若さもありますが、出来ないことでも出来ると言い、もしそれで出来なかったら人や物のせいにし自分の非を認めない傾向があります。そして修正という角度からアドバイスをすると、全く否定していない言葉であったとしても私を否定されたと感じ拒絶する傾向があります。これには、色々理由があるのですが、長くなるので今回は割愛させていただきます。
⭕️【現状を褒め、ステップアップとしてのより良い方法を伝える。】
まずは今の取り組みへの想いなどを肯定しましょう。そして、例えばですが『〇〇すると子どもがこういう風になってもっと楽しくやり易くなるから騙されたと思って1度試してみて』といった風に楽しくやり易くなるという自分と子どもにプラスになる事を試してもらうという切り口で、訂正・修正ではなくステップアップの利点から伝えていきましょう。

まずは、この3つをやってみて下さい。
これらすら取り組まないというのであれば、保育士は育たず、保育の質は保てず、それにより子どもは落ち着かず、誰もが落ち着かない保育現場が必ずずっと続くという事だけはお伝えしておきます。


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