シェア
Reman
2015年7月4日 01:32
『花屋』と呼ばれるバーテンに1人の男が客で来ていた。その男は色落ちしたスーツを着て、見るからに冴えないサラリーマンだった。動画が止まったように無表情のその男は、頬杖をつき、ひたすら強い度数のカクテルを飲んでいたが、やがて大きなため息をつきバーテンダーに話しかけた。「なぁ、兄さん。俺はもう何年も笑ってないんだよ。それどころか泣きもしないんだ。感情なんて無駄なものが、どうやら消えち
2015年7月15日 23:05
人類史上最高の料理が食べられると、知る人ぞ知るレストランがありました。そこでは高価なスーツと宝石を着飾った紳士淑女達が集まり、一つの丸テーブルを囲み、興奮気味に料理の登場を今か今かと待ちわびていました。時の満ちた頃です。丸テーブルにスポットライトがあたり、優雅なクラシック音楽が流れると、テーブルの真ん中に四角い穴が開き、微かな機械音と共にエレベーターのように黄金の箱が上がっ