韓国ドラマに恋をした!韓国ドラマ鑑賞記 第3回「力の強い女 ト・ボンスン」
私の、パク・ヒョンシクの沼落ちを決定づけたのが、本作品。
今回は、盛大にネタバレをする予定なので、これからご覧になる方はご注意を。
(俳優さんのお名前は全て敬称略で記させていただきます。)
あらすじ。
アン・ミンヒョクが好きすぎる。
一言でいえば、怪力女子のラブコメなのである。(なんのこっちゃ。)
大抵の見どころは、この動画の中のお姉さんが言っている通りで、とにもかくにも、ミンヒョクを演じるパク・ヒョンシクのキラキッラぷりがたまらない。
序盤の、ミンヒョクの若干高飛車な感じを我慢して乗り越えれば、その向こうには、「キャ~!」とか「オーォ!」とか「はぅっ!」とか叫ばずにはいられないほどの胸キュン(死語?)シーンが炸裂しまくる、きらめく世界が待っている。
というか、次から次へとキュンがやってきて、キュンキュンキュンキュンしてしまい、自分の中でキュンが大渋滞してしまうのだ。(一体、キュンってなに?)
キュンは大切だ。
キュンは心の栄養だ。
この二人のイチャイチャっぷりを観ていると、観ているこちらも自然と笑顔になり、それまでかさついていた心が潤うような気もしてくる。
この年にもなって、そんなことでキュンキュンして気持ちを満たすなんて、傍から見れば気持ち悪いかもしれないが、どうぞここは目を瞑ってほしい。
年なんか、もはや関係ない。
キュンキュンして何が悪いのだ!
たぶんあれだ。
私はアン・ミンヒョクみたいな人が好きなのだ。
これは若い時からそうで、幾ら年をとっても、好みはやっぱり変わらないし、変えられない。
「アン・ミンヒョクみたいな人」と言うのは、愛情表現をストレートかつ情熱豊かにする人のことだ。
話は、私の若い頃へ飛ぶ。
このドラマのミンヒョクを見ていて思い出したのは、大昔に付き合っていた男性のことだ。
その人は、ミンヒョクのように背が高いわけでもなく、金持ち社長でもなかったが、ミンヒョクと似ていたのは、顔の造作が整っているところと、海外生活が長かったからかもしれないが、甘々な愛情表現を惜しげもなく大胆にするところだった。
ミンヒョクがボンスンにしたような、赤面必至のあんなことやこんなことの幾つかは、そういえば、私もその人に「されたな」、いや、今から言うならば感謝の念も込めて「していただいた」と思い出した。
当時の私も、ボンスンみたいに、人目は気になるし、恥ずかしいし、顔を隠したくもなったけど、何十年も経った今の私からはっきり言おう。
当時の私よ、そうして貰っといてよかったな!(断言)
結局、その彼とはお別れすることにはなってしまったが、後にも先にも、そこまで甘々に扱ってもらったことないからな!(断言)
あんな甘々な扱いをされて、悪い気はしなかったし、むしろ、当時の私にとって精神安定剤的な効果を生んだのは確かだった。
あぁ、あの頃は楽しかったなぁ、なんて、つかの間の出来事であったかもしれないが、案外、私にも楽しい恋愛の思い出があったと思い出させられた。
ちなみに付言するが、ボンスンとミンヒョクと似たようなことはあったとは言っても、さすがにグランドピアノの上になんて乗ってはしていない。
かなり都合よく記憶の上書き保存をしてしまい、事実とは違っているかもしれないが、当時のことは今の私にはキラキラした思い出の一つになっている。
そんな思い出を作ってくれた当時の君、どうもありがとう。
そして、そんなことを思い出させてくれて、このドラマに感謝しよう。
このドラマの最大の魅力。
このドラマの面白さは、小柄でキュートな、だけどもちょっと変わったところのある女性と、心に傷のあるイケメン金持ちの男性が、色々あったけど結婚できてよかったね!っていう単純なシンデレラストーリーってことではない。
ボンスンとミンヒョクは、お互いの強さや弱さを理解し認め合い、お互いを愛する気持ちが心の深いところで繋がってこそ、結ばれた。
そういう精神的な結びつき、絆みたいなものが二人の間にはあると、この脚本と、ボンスン演じるパク・ボヨンと、ミンヒョク演じるパク・ヒョンシクの演技から感じられた。
やたらと年を重ねてしまってからは、そこまで自分の心の深い部分をさらけ出すことも、相手の心の深い部分まで到達することも、なかなか難しい。
大人になってからは、気心の知れた友達を作りにくくなるのと同じで、そこまで深い絆で結ばれる人と出会うことはなかなかないだろう。
それだけに、ボンスンとミンヒョクの若い二人が、心の繋がりを得て結ばれたことは、見ている方も嬉しい気持ちになるし、微かに羨ましくも思える。
上っ面だけでなく、二人の心の機微まで深く演じ描けていたのが、このドラマの素晴らしさだろうと思う。
美しいキスシーンの数々。
小柄なボンスンと、長身のミンヒョクの身長差が、これまた視覚的にも本当に良く、実にイイ感じのキスシーンを見せてくれている。
ハグをすれば、ミンヒョクの腕の中にすっぽりと包まれるボンスン。
キスをすれば、前かがみになるミンヒョク、顔を真上まで上げなければならないボンスン。
海辺でのキス、チョコレートキス、ピアノの上でのキス、桜の下でのキス、結婚式でのキス。
数々のキスシーンが実に美しく、観ている方も幸せな気分にさせてくれる、最高の視聴者サービスであろう。
パク・ヒョンシクに惚れる。
この当時のパク・ヒョンシクは、兵役に行く前で今よりもかなり細身だったよう。
例えば、株主総会に出席するシーンで、ただでさえ長身でハンサム、シュッとして男前な彼が、前髪を上げてスーツなんか着ちゃったりしたら、あまりに素敵で、素敵で。
素敵すぎて、光が放たれ、まぶしくて直視できない。
それから、後半のアン・ミンヒョクのデレデレシーンは見ものである。
ボンスンからの「おやすみ、ミンミン♪」のメッセージを見ては、ボンスンの可愛さに悶え両足そろえてバタつかすシーンや、「二人の時はミンヒョクさんって呼んでも?ミンミン?」とボンスンに言われ、照れて腰砕け、しゃがみ込むシーンなど、ミンヒョクが可愛くてしょうがない。
こういうおちゃめな可愛さがあるのも、ミンヒョクの魅力の一つだろう。
コメディなので、笑えるようにオーバーアクション気味に演じてくれたのだろうが、笑いをとれる演技ができる、パク・ヒョンシクは立派である。
でも、そんなパク・ヒョンシクの姿に照れてニヤつき、腰砕けになっているのは我々視聴者の方である。
アン・ミンヒョクはあくまで役柄であって、それを演じるパク・ヒョンシクは、きっとアン・ミンヒョクとは違う性格だろうし、アン・ミンヒョクとは違う振る舞いをする人だろう。
しかし、たとえそれが演技であろうとも、アン・ミンヒョクみたいなことができてしまう人であることは確かだ。
アン・ミンヒョク役のパク・ヒョンシク、好き。
すごい好き、めっちゃ好き、マジで好き。
その他の推しキャスト。
このドラマの面白さは、他のキャストの面々の素晴らしい演技によるところもあるだろう。
特に私が推したい役者さんは、このお二人。
キム・ウォネ
ボンスンにぼっこぼこにやられてしまうヤクザのキム・グァンボク役と、ミンヒョクの会社の開発チーム長オ・ドルピョ役の二役をこなした。
歯は抜けるし涎は垂れるし、キム・グァンボクの演技もすごかったけれど、私が好きなのは、オ・ドルピョの方。
オ・ドルピョは、トランスジェンダーっぽい雰囲気を醸している男性なのだが、その言動がいちいち面白い!
オ・ドルピョは、会話のところどころに英語が出てくるのだが、そのスタッカートのように切った言い方が、オ・ドルピョのイヤみっぽさが全開で笑える。
更に大笑いを誘ったのは、終盤のボンスンとミンヒョクの結婚式のシーン。
オ・ドルピョは、ミンヒョクのことが好きだったのでしょう。
新郎新婦の誓いのキスをしようとしていたところ、オ・ドルピョが近くに飾ってあった生け花、しかも結構大きいやつを引っこ抜いて、二人に投げつけて大暴れ。
オ・ドルピョ、最高!
コン秘書との関係は、本当のところはどうなのでしょう。
ユ・ジェミョン
ボンスンのパパ役を務めた、ユ・ジェミョン。
「花郎<ファラン>」では、パク・ヒョンシクが演じた真興王(サムメクチョン、チヌン王、ジディ)の護衛パオを演じておられた。
役柄上と言うよりも、俳優・パク・ヒョンシクとの関係性と言うことで推したい。
パオの、真興王に対する愛情、忠誠心というものは非常に強く、そう感じさせられる、「花郎」での演技だった。
私の中では、いまだに真興王とパオの関係性が強く印象に残っているせいか、このドラマでも、ミョンシクとボンスンパパの二人だけのシーンは、その役柄の上でだけでなく、この二人の俳優さんの間にすでに仕上がっている信頼関係みたいなものがあるようにも思え、再び、この二人が共演していることが感慨深く思えてならなかった。
特に、家出したボンスンパパを迎えに行って、ミンヒョクがボンスンと結婚したいと伝えるシーンや、結婚式のシーンでボンスンパパとミンヒョクがハグするシーンは、大切な娘を託す義理の息子との信頼関係を表している非常に良いシーンなのだが、私の脳裏にはどうしてもパオがいる。
「真興王様、ご立派になられて。どうぞ娘をよろしくお頼み申します。そして、常にお守り申し上げております。」とボンスンパパとパオが常にミックスされて言っているかのようで、そう私の頭の中では認識されている。
パク・ヒョンシクを前にしてのユ・ジェミョンは、もうどうにもこうにもパオである。
パク・ヒョンシクの美声。
これは、パク・ヒョンシクが歌う、このドラマの挿入歌。
韓国ではOST(Original Sound Trackの略)と呼ぶのだそう。
お聴きいただければわかるように、歌がうまい!
そりゃ、以前はアイドルグループでメインボーカルを務めていただけもある。
彼の歌声には若干の揺らぎみたいなものがあって、切なく、甘く聴こえて、心まで届く。
ここまで歌えるならば、ミュージカルとかもイケるんじゃない?なんて思って調べると、すでにご経験済みで、「エリザベート」でトート(死)役を演じたとか。
日本版の「エリザベート」のトート役と言えば、山崎育三郎、古川雄大、井上芳雄が演じている。
あのクラスのミュージカル俳優がこなす役をパク・ヒョンシクは演じたのかと思うと、彼の歌や演技のレベルの高さがうかがい知れる。
今後、もしパク・ヒョンシクがミュージカルに出演する機会があるのなら、韓国に飛んで行っても一度、この目で見てみたい。
終わりに。
アン・ミンヒョク役のパク・ヒョンシク、そして、このドラマのストーリー自体も気に入ってしまった私は、デジタル配信を見るだけでは飽き足らず、DVD-BOXを買い求めてしまった。
現在ではメーカーからの販売は終了しているようで、中古市場で探しまくった。
いつ何どきに配信が終了するかわからないので、手元に形としておいておきたかった。
それぐらいの手間暇、お金をかけてでも、このドラマをいつでも観れる環境を整えておきたかったということだ。
そこまで思わせてくれる、大傑作。
(2017年放送)
次回予告。
第4回は「上流社会」!チャーンス!