過去は存在しないし、求めているものは幻
選択を間違えたとか
あのときこうすればよかったとか
後悔するとき、
あの選択が正解だったのにとか
ああすれば完璧だったと思いこんでいる。
そして、そうしなかった自分を責めて
苦しくてしかたがない。
でも、過去は幻で、過去はない。
なぜなら、今この瞬間しか存在しないから。
一瞬一瞬過ぎ去っては過去になっていく。
それを選択した道は生きていないから
その道が正解かどうか考えてもわからない。
自分が選択した道しか生きていないから。
そう言い聞かせても、
感情がおさまらなかったりする。
相当な執着だ。
引っ越しの荷物のカーテンを探していた。
すべての段ボール箱を開けて、
ひっくり返して中身を確認しても、
それは、ついになかった。
不思議だ。
どうしてだろう。
引っ越し業者に問い合わせてみようかとも思った。
でも、段ボール箱の数も確認したし、
ないはずがない。
今のお部屋は大きな窓が2つあって2組必要なので、
絶対あるはずと思って一生懸命探していたカーテンは、
考えてみたら、
引っ越し前のお部屋に、1組しかなかった。
存在しないカーテンを、
絶対あると思い込んでずっと探していたのだった。
ああ、そうか。
後悔は、私はこれと同じことをしていたんだなと思った。
存在しない出来事を、
絶対あると思い込んで、得られなかったことを悔やんでいる。
選ばなかったほうを完璧だと思い込んでいるけれど、
それも完璧ではないし、そもそもないのだ。
あるはずがないものを後悔するなんて、
なんてむなしく、時間の無駄なんだろう。
アホだな、わたし……。
求めているものは幻だと
気づくことができた出来事だった。