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鏡(掌編)

鏡がめちゃくちゃ怖い。

まず第一に自分が写る。
ヤバすぎる。

本来、自分で自分の姿を見ることはできないものだ。

だから鏡を発明した人間は凄すぎる。

調べたらドイツのフォン・リービッヒが1835年にいろんな素材をごちゃごちゃして発明したらしい。
天才極まりない。
溢れんばかりのドイツ感を感じるネーミング。
ッヒはドイツ人か自動車保険でしか聞いた事がない。

しかし人間、鏡が無いとかなり不便である。

鏡のおかげで、世の人間は自分が他の人間より劣っていないことを確認する事ができる。

街を歩けば、他人の顔を見る事ができる。

そして、その誰しもが定期的に鏡を見る。

全く、鏡側の苦労も考えて欲しいものだ。

あいつらだけは自分の姿を見る事ができないのだ。
見たら永遠の終わりへ誘われると、幼い頃から教育されている。

誰一人として、自分自身を確認することはできない。

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