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クジラが先か蛇口が先か 202【澱】
※扉の写真は、蛇口ひろこの作品です。
これは「ベランダに飛んできた葉っぱ」シリーズ。(勝手に名前つけた)
【澱】
窓を開け澱んだ空気を入れ換えるときに家から出ていく妖怪/蛇口ひろこ
↓ ↓ ↓
この昇華できない日々よどんぶりの底に沈澱する唐辛子/藤田美香
※ひろこさん、次回は「底」でお願いします。
■ひろこさんの短歌
家にいる妖怪ってなにがいるだろう。有名なところでは、座敷童や家鳴りとかぬらりひょん?この歌において何の妖怪かを特定することに意味がないのは重々承知です。特定したほうがいい場合はエンジンかかりますので言ってください。手元に「日本妖怪大全」がありますので遠慮なく。
相当めんどくさいことになります。(ひろこさんが)
ジ●リ映画のまっ●ろく●すけが、まさにこの歌のような描写で登場するんだけど、それも意識しているわけではないことはもちろんわかっています。ひろこさん、あんまり見ないもんねこのシリーズ。妖怪という単語が出てきたからには触れずにはいられなかったんですねえ…
ああ境港行きたい…広島のもののけ博物館にも遠野にも。
さて、澱んでいるということはあまり良くない妖怪か。
「妖怪」というのも恐らく隠喩で(これメタファーって言うんでしょ。こっぱずかしくて使えないけど笑)、家の中を澱ませる「原因(妖怪)」があるわけだ。「妖怪」だけが暗喩なのではなくて、一首全部が隠喩なのかもしれない。もちろん、そのままの意味だとしても、それはやっぱり面白いんだけど。
歌の印象としてはその「妖怪」が出て行ったところでどうなのかがとても不明確でおもしろい。主体の感情が一切書かれていないから想像するしかないんだけど、澱んでいるから、「妖怪」が出ていくことである程度のすっきり感を主体は得ているんだとわかる。ただ、空気を入れ替えたその時は良いのかもしれないけど、またすぐに「澱む」のかなあなんて思わせる。
私の主観でしかないけど、これが「悪魔」とか「神」だったら、この歌、シリアスになるじゃない?そういうシリアスさを求めて描いているものではないように感じた。そこは「妖怪」という語の持つイメージだと思うけど。妖怪のみなさんに申し訳ないけど、中途半端な「妖怪」をもってきたことで、和むし、上手いなと思った。
窓って、一日のうちに1回くらいは空気の入替をすると思うから、日常的な行為だと思ったんだよね。
窓を開けるたびに出ていく妖怪、想像したらかわいかった。そして、家族(自分も含め)が帰ってくるときに玄関からまた入ってくるんだよ、一緒に。
■映画、その他のこと
ひろこさんが観てきた香港映画、私、ぜったい好きなやつだわ…
けど、どうにもこうにも上映スケジュールと都合が合わない。
でも意外だった。アクション系はひろこさん、大丈夫なのね?
コメダで通常メニューにチャレンジもまだできていません。
海老カツサンド、食べてみたい。
【181.線→182.イヤホン→183.片→184.集→185.バサバサ→186.タオル→187.迎→188.日々→189.鍵→190.玄関→191.魔物→192.湖→193.文字→194.試→195.迷→196.地下街→197.青→198.宙→199.蜘蛛→200.シャンデリア→201.家→202.澱→203.底】
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