クジラと蛇口のいちごつみvol.6
■はじめに
写真と短歌の「クジラと蛇口」です。
目をとめていただきありがとうございます!
お互いのブログで、短歌な交換日記で遊んでいます。
ここでは短歌だけをまとめています。
※冒頭の写真は、蛇口ひろこ
◆いちごつみ:相手の短歌から一語を選び、その語を使って短歌を詠む遊び
■いちごつみ(短歌)
抜かりなく立てた予定のあちこちがあっという間にくずれて残暑/藤田美香
夕暮れに歩く畦道蝉時雨残暑の中のシオカラトンボ/蛇口ひろこ
膿むように滲み出る汗拭きながら蝉時雨のなか買いに行く酒/藤田美香
そこまでのポストが遠い蝉時雨/藤田美香
駅前に赤いワゴンがハザードを点けるポストの胃袋を出す/蛇口ひろこ
空腹のポストの上に赤とんぼ/蛇口ひろこ
空腹に流れこむ酒この世でいちばん美しい川と思う/藤田美香
健診の問診票は問いただす一日当たりの飲酒量とか/蛇口ひろこ
問題はあなたが見ようとしてません 眼科で言われてそれからずっと/藤田美香
向いている向いていないで分けるならワタシハヒトニムイテイマセン/蛇口ひろこ
誰のためのなんの証明なんだろうワタシハロボットデハアリマセン/藤田美香
ロボットのような動きで向こうから近づいてくるあれはあなただ/蛇口ひろこ
母からのLINEは手紙「先日は夢であなたと花火をしました」/藤田美香
忙しく離れて暮らす子の無事をLINEの既読で知る今日は無事/蛇口ひろこ
早割のおせちのチラシを捲れども暮れの予定は今から立たず/藤田美香
でかでかとチラシの品と書いてある棚で売られる空白を買う/蛇口ひろこ
浅草寺 ひとり小雨をやり過ごす藤棚の下、藤と知らずに/藤田美香
スカイツリーに行きたがる子に近いよと浅草寺に寄る提案をする/蛇口ひろこ
特別な電波じゃないだろうそれはスカイツリーを見上げてみたが/藤田美香
特別よまたよろしくねと掌に押し付けられた林檎の重さ/蛇口ひろこ
毒林檎、今まで何個食べただろう鏡よ鏡、私いきてる?/藤田美香
毒ならばいっそ飲み干す善意の顔して近づく悪意蹴とばす/蛇口ひろこ
道端のミミズの干乾びた死骸、夏を任意同行しました/藤田美香
参道に並ぶ出店を冷やかして茅の輪をくぐる夏越の祓/蛇口ひろこ
おばあ様素敵な人ねと担任が参観日のあと耳打ちをした/藤田美香
涼やかに転がる風が耳打ちし金木犀がひかりを宿す/蛇口ひろこ
ゆうらりと風に揺られてそれだけの花になりたい明日からでも/藤田美香
旅先の店で明日から使えると言われた券を財布にしまう/蛇口ひろこ
定期券売り場の長い列にいてこれは何かの誰かの走馬灯/藤田美香
信号を渡る小学生の列を黄色い旗が華麗に捌く/蛇口ひろこ
盛り上がらねーんだよなとひとりごつ小学生の横顔に秋/藤田美香
寒くない?寒いよねって言いながら突然反復横跳びをする/蛇口ひろこ
【151.抜→152.残暑→153.蝉時雨→154.ポスト→155.空腹→156.酒→157.問→158.否定形→159.カタカナ表記→160.ロボット→161.あなた→162.LINE→163.暮→164.チラシ→165.棚→166.浅草寺→167.スカイツリー→168.特別→169.林檎→170.毒→171.干→172.夏→173.参→174.耳打ち→175.風→176.明日→177.券→178.小学生→179.横→180.突然】
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