【やすなの食探検🔍】奈良漬は1300年前の奈良時代からの贈り物~奈良屋本店(奈良・奈良市)
Hello みなさんこんにちは!
よしむらやすなです。
2024年5月から、【やすなの食探検🔍】と題し、食から日本を再発見!新発見!をコンセプトに、食の生産者さんを訪ねています。
生産者さんと消費者のみなさんをつなぎ、日本の食文化への理解や普段の食事・食材選びに少しでも関心をもっていただけるよう、そして新しい食体験・おいしい食で笑顔をお届けできることを楽しみに、訪問先について情報発信をしています。
ぜひ、SNSなども覗いてみてください。
🔸SNS
・instagram
https://www.instagram.com/yasuna.japanfoodadv/
・Stand fm
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さて、今回は、奈良漬です。奈良のお土産、奈良漬購入はぜひ奈良屋本店さんの本物を。
🔸奈良の地だからこそ作れる奈良漬を研究して〜『奈良屋本店』
みなさん、奈良漬はお好きですか?
何を隠そう、私は奈良県生まれ奈良県育ち。小さい頃は祖父母とも住んでいたため、奈良漬は比較的食卓に出てきていました。が、私はその匂いが苦手で、自ら率先して食べるものではありませんでした。
そんな私にも転機が訪れました。
2022年、都内から奈良へUターンしたことをきっかけに、奈良に生まれ育ちながら、奈良の有名な食べ物も知らんやん?奈良を食から探検してみたら、新しい発見があるかもしれない。
ならば早速!ということで、奈良といえば奈良漬。奈良漬屋に行ってみたい。しかも、昔ながらの製法で、添加物を使ってなくて、独自の製法とこだわりがあるところ…と調べました。当時、奈良に何のコネクションもなかった私ですが、運良く、ある企画が見つかり、冬場に1回目の訪問、そして、今回夏場に個人的に連絡をとらせていただき2回目の訪問が叶い現在に至ります。
ところで、このやすなの食探検🔍の生産者訪問は、基本的に全て独自開拓しています。まず、こだわりの製法があるかどうか、無添加(可能な限り添加物が入っていない)なものか、webで調べられる情報に片っ端からアタックし、これは!と思ったところのみ、ご訪問させていただけないかと直接電話をしてコンタクトを取り、訪問しています。
※小話
ちなみに、奈良屋本店さんの奈良漬は、これまでの私の奈良漬経験を覆す美味しさで、正直仰天しました。全く新しい食体験との出会いでした。
そして、私は増田社長に正直にこうお伝えしました。
『これまで奈良漬がおいしいとおもったことがなくて、むしろ好きではなかったのですが、こちらのは食感がポリポリで本当においしかったです😆今まで食べたものと全然違います!✨✨(とびっきりの大きいおめめで👀❤️✨)」とお伝えしたのでありました。(私は正直ものです!)
すると、増田社長から
やはり1回目にどんな奈良漬を食べるかが重要です。おいしくないものを食べてしまうとその後、『奈良漬=おいしくないものという記憶』になってしまいます。現在、市販されている奈良漬のみならず多くのお漬物が、昔ながらの製法で作っておらず、昔ながらの製法で作っているものを見つけるのが難しいほどです。ぜひ、本物の奈良漬を食べてほしいんです。ということをおっしゃておりました。
奈良屋本店さんのこだわり。真の地産地消
奈良漬ってどうやってできているの?
奈良漬は、どのように作られているのかご存知の方はどれほどいらっしゃいますか?
奈良漬の特徴は…ずばり酒粕で漬け込んだ発酵食品なのです。奈良は酒造りも盛んという事実をみなさんご存知ですか?(と、まぁこれは別の機会として…)
奈良屋本店さんの奈良漬づくりは、可能な限り、奈良のものを使って奈良漬をつくるというポリシーをお持ちです。世間には、奈良漬といっているのに、奈良で作っていない、奈良県産のものを使っていない、地産地消とは程遠いものが大半を占め、その多くが徳島県でつくられ、奈良で詰め替えてパッケージを買えて販売されているという話を聞きました。食の製造方法に興味がある方であれば、後ろの表示を見てみるとお漬物の原材料として、知らぬカタカナが並んでいたり…とにかく早く早く製造して、市場に出して現金化しなければならないので、たくさん添加物を入れ、お漬物っぽいものにしてあるものがたくさん出回っています。が、ここのは全く違います!原料がスパーミラクルシンプル!まさに私が求めているものです!
そして、伝統を守りながらも、科学的な分析を加え日々奈良漬イノベーションを起こされています。奈良漬革命を起こし続けておられます。
奈良漬の材料
野菜:主に夏野菜を使用。奈良で作られた野菜を原料にすることにこだわりをもっておられ、契約農家さんがいらっしゃいます。増田社長が先代から奈良漬づくりを引き継がれた際、奈良漬改革に着手された頃に地元の農家さんを開拓されたそうです。それはそれは大変ご苦労されたそうですが、現在はしっかりと信頼関係を築かれて、作った野菜が奈良を代表する奈良漬になるという喜びと、奈良漬にする野菜を作ってくれている農家さんがあってこそという素敵な関係性が、お話しから伝わってきました。
・お塩:野菜を塩漬けにして脱水させるために使用します。
・酒粕:奈良のお酒、春鹿の酒粕を主に使用されているそうです。(ちなみに社長さん同士が同級生で、昔からの仲良しさんなんだそうです❤️)酒粕を空気に触れないようにしっかりと踏み込み、これ以上発酵させないようにして使える状態にした準備します。
・お砂糖:秘密の高級お砂糖を使用しています。
奈良漬の製法
①塩漬け
収穫した野菜は、まず塩漬けにされます。樽にみっちりきっちりと職人さんが手作業で詰め込んでいらっしゃいました。まずは数日。ここで40%の水分を吐き出させるそうです。その後、塩分濃度が25%になるまで長期間漬け込みます。
この25%(塩分飽和状態)のきゅうりを特別に食べさせていただきました。
笑うほど塩辛いのはもちろんなのですが、驚くほどポリッポリなんです!すごくポリッポリ!!めちゃおいしい!!!
②酒粕に漬け込む
酒粕に漬け込んでいくのですが、そもそもお酒を絞った直後の酒粕にどぼーん!と野菜を漬け込むのではなく、酒粕自体にも少々手間がかかっています。
到着した酒粕を足で踏み込み、酸素と触れ合わないようにして発酵を止め、一夏超えたものを使用されています。
というのも、絞った直後の酒粕は酵母活性が強く、野菜の繊維質まで破壊してしまい、ポリッポリの食感のよい奈良漬にはならないそうで、しばらく置いたものを使用されるのだそうです。
酒粕と”上等なお砂糖”に漬け込み、時間をかけてゆっくりと正真正銘の奈良漬ができています。
増田社長との対談を終えて
増田社長のお話しを聞かせていただくなかで、印象的だったことがいくつもありました。
・伝統が必ずしもよいわけではなく、日々アップデートしていく。
昔の人は、『これは昔からこうやるんや〜』と何の根拠もなく、決まってるからと言ってきたけど本当か?と疑問を持ち、科学的にそれはなぜなのか解き明かそうとやってきたとおっしゃていたのが印象的でした。科学的な分析を加え、大学先生ともコラボレーションしながら、奈良漬作りを日々アップデートされています。私は、昔ながらの製法こそ正義だ!くらいにおもっていたので、これは新しい発見でした。必ずしも昔の人が言うことが正しいわけではないと。そして、これまでの伝統を引き継ぎながらも、科学的な視点も入れ、現代風の作り方を確立し、次の息子さん世代に引き継がれようとされていて、感銘を受けました。
こんなに大切に作られた本物の奈良漬をぜひ食べてみてください❤️
奈良の人にこそ、食べてもらいたいです!これが本物だよ。
番外編
近鉄奈良線では、全車両内側も外側も鹿ラッピングの鹿さんトレイン🦌🚃が走っています。
ラッキーな方は乗れるかも。
奈良を訪れる際は、この車両に乗ることも一つの楽しみに、ぜひいらしてください。