運転中の僕の後ろで、ガラスケースの中の茶色い粉を色々な角度から眺めていた降三世警視がぽ…
「尿検査で一発だったそうだ。覚せい剤所持・使用の現行犯もコミで、起訴決定。検察に送致して…
事件は、駅前の大通りで起こった。 とある雑居ビルの入口から通行人のひしめく通りへと現…
おおまかな事件の真相は降三世警視の推理通りだった。 「……山岸が憎いわけじゃなかった。…
「医者ですか……」 通り魔以外で、山岸の殺害者としては外科医の加藤が怪しいというのは、…
「お久しぶりです、警視」 「忘年会ぶりだね!」 「あの悪夢の飲み会って忘年会の範疇に含まれ…
「あいつが恨まれるってことはないんじゃねえかな」 不動産会社を経営する西川幸次は、事務…
「主人は……ここ数か月は着替えを取りにくるだけで、ほとんど家には帰ってきませんでした」 …
「―――死体から内臓を抜き取るのは、まあ簡単だ。まず、殺してから血抜きをする。これをしな…
僕こと久遠久の配属されている所轄署の繁華街で、その事件は起きた。 遺体を発見したのは…
「犯人を逮捕するって……そのティンカーベルの猟犬をですか?」 「ティンダロスだよ、ティン…
「いいかい、久遠くん。時間は単に空間の新たな次元に対する私たちの不完全な認識でしかないん…
降三世警視が戻ってくると、吉柳鳶彦は何事もなかったかのようにその場から去っていた。 …
「……ですからあ、細貝社長は飲むたびに言ってたんですよ、俺は奴らに狙われているって」 「…
被害者は、細貝匡史。 年齢は四十代だということしかわからない。 何故かという、経歴に…
事件が発生したのは、隅田川に近い一軒家だった。 朝、署に出勤してから、昨日までの書類…