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11月米消費者物価指数(CPI)は市場の予想通りの横ばいに!

12月11日にアメリカの消費者物価指数(CPI)と食品とエネルギーを除くコア消費者物価指数(コアCPI)が発表されました。消費者物価指数(CPI)は、引き続き上昇しており市場の予想通りの結果となりました。
来週予定されているFOMC会合にて金利の利下げをするかどうかの判断材料として今回のCPIは注目されていました。

  • 消費者物価指数(前年比):2.7%(結果)・2.7%(予想)・2.6%(前回)

  • 消費者物価指数(前月比):0.3%(結果)・0.3%(予想)・0.2%(前回)

  • コア消費者物価指数(前年比):3.3%(結果)・3.3%(予想)・3.3%(前回)

  • コア消費者物価指数(前月比):0.3%(結果)・0.3%(予想)・0.3%(前回)

●米CPIと米コアCPI

11月の食品をエネルギーを除いた米消費者物価指数(コアCPI)は、先月と同じで横ばいとなりました。そして米CPIは前月と比べて0.1増えておりました。CPIとコアCPIどちらとも市場の予想通りになりました。

・米CPI:前月と比べると食品とエネルギー関係の値段が上昇傾向にありました。エネルギー関係は電気以外の全てがインフレ気味となっており、地政学的な問題で原油価格が上昇していることが要因と思われます。食品もエネルギーも価格変動が多い項目ですのでそこまで気にすることはないかと思います。

米エネルギー情報局(EIA)によると、世界の石油消費量は2025年に生産量を日量10万バレル上回る見通しいるようです。このEIAの発表は、国際エネルギー機関(IEA)の見通しとは相反しています。
国際エネルギー機関(IEA)と意見は分かれていますが、アメリカは原油が供給不足になる予測をしており、エネルギー価格が来年も上昇する可能性があります。

・米コアCPI:食品とエネルギーを除いた物価指数となっており、総合のCPIよりも大きくインフレ傾向です。車両関係が前月2.7%上昇に続き、11月では2.0%上昇しています。

前年と比べると、全ての項目が3.3%(前年比)上昇しており、住宅指数は4.7%(前年比)増加しております。また、自動車保険が12.7%高騰していたりなど、交通サービスが7.1%(前年比)、医療サービスが3.7%(前年比)と大きく上昇している

●11月のCPIが米国株と米国債に与える影響

・米国株:11月のCPIが報告された12月11日の米国株式市場の主要指数であるS&P500とNASDAQが上昇となった。CPIが市場予想通りだったため、FOMC会合にて0.25%の利下げ予測が強まったことで安心感が強まったことが要因です。ハイテク株関係を中心で株が買われており、アルファベットやテスラが大きく買われるようになった。

・米国債:米国債はCPI発表後は買われましたが、1日を通してみると売られる結果となり、米国債利回りが上昇しました。

米10年債利回り

インフレは依然として根強く存在しており、インフレの先行きが不安なため米国債利回りが上昇しました。トランプ次期大統領の政策ではインフレを誘発する恐れがあり、今後のインフレの警戒感から米国債利回りが上昇しました。また、来年の先行き不透明さと、利下げの影響で金価格が上昇しています。

為替(ドル円):昨夜で152円までドル高になりました。これはCPI発表後に米国債利回りが上昇したことが要因の1つですが、12月に日銀が利下げをしないとの予測が強まったことが要因です。

●12月FOMC会合での利下げは・・・

11月のCPIは市場の予想通りの結果となりました。そのため、来週行われるFOMC会合で発表される0.25%利下げの予測が98.6%となりました。市場はよっぽどのことがない限り12月のFOMC会合で、0.25%の利下げを確信しています。

利下げ予想

12月のFOMC会合での発表で利下げも気になるところですが、来年の利下げスピードが重要になってくるでしょう。パウエル議長の会見でどのような発言があるかを注目していきたいところです。

●まとめ

11月のCPI(消費者物価指数)は市場の予想通りで、市場には安心感が強まりました。その影響で米国株が買われるなどアメリカ市場の底堅さを感じました。インフレは根強く存在している状況で、トランプ次期大統領の政策ではインフレ上昇の予測があります。

PPI(生産者物価指数)という指数が12月12日に発表されますが、PPIはCPI(消費者物価指数)を先行する指数です。現在のPPIは緩やかに上昇しており、来年もCPIが上昇し続ける恐れがあります。その値がFRBが目指すインフレ目標の2%に収まればいいですが、そうならない可能性もあります。

来年の米国株式市場はインフレ再熱が注目されるでしょう。そのために、トランプ次期大統領の動きとCPIやPPIなどのインフレの兆候がわかるCPIやPPIなど注目が必要です。

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