マガジンのカバー画像

面白?エピソード

7
平凡なストーリーを面白く組み立てるんです。 ここはそんな記事を投稿する場。そして、100話投稿目標。
運営しているクリエイター

記事一覧

第7話:お弁当

朝、彼女がお弁当を作ってくれます。
その日は私の大好物、そぼろ弁当!

もう、テンション爆上がり。
子供のようにはしゃぎ散らかす。

完成したお弁当がシンクの角に置かれていた。

彼女がそれを持ち上げると、手が滑り角度を変えゆっくりと落ちていく。

その様子を、ただ2人で見届けることしかできなかった。

弁当箱が落ちただけなのに、いろんな感情が込み上げてきてとまらない。

悲しみ、絶望、喪失感、そ

もっとみる

第6話:赤ん坊

鉄道車両の座席で音楽を聴いていると「ゴンッ」と鈍い音が隣で聞こえてくる。

よっぽどでかい音だったんだろう。
イヤフォンをしていてもよく聞こえた。思わず視線を向ける。
うたた寝中の首が行き場を失い縦横無尽に動き回っている。

まるで首が座ってない赤ん坊のようだ。

…角の席って鉄の手すりがあるんです。
2回目の鈍い音が車内に響き、頭をぶつけた本人が目を覚ます。

相当恥ずかしかったと思います。

もっとみる

第5話:嗜好品

私の趣味の話をします。趣味は音楽です。

産まれる前からピアノやってました。

そのおかげで、中学生の頃イベントでピアノを弾くことなり大成功を収めました。

その後すぐに燃え尽き症候群発症、引退する形となりました。

一度ここで音楽生活は幕を閉じました。

しばらくして、音楽との出会いは再び訪れます。
大学2年生でアコースティックギターに出会いました。

ただここでまた音楽を始めようと思ったきっか

もっとみる

第4話:無法地帯

とある会社にて、
入社してきた新人が連日事件を起こす。

業務内容は、ECサイトの運営。

初日の出来事だが、どうやら設定ミスをしてしまったらしく商品価格がすべて0円になっていた。

これは会社の大損害に繋がるようなこと。

不幸中の幸いか、翌日サイトの画面が真っ白になっていた。

そのおかげで?価格を直す猶予がもらえた。

彼の勢いは止まらない。

さらに翌朝、メールをルーティンで確認するとデー

もっとみる

第3話:人類技術の限界

電車に乗ってたら、とんでもない奴が現れた。
まるで車両の支配者だと言わんばかりの態度で大音量の動画を垂れ流し横に座る。

俺の静かな時間はこの支配者によって無慈悲にも蹂躙された。

しかし、俺には最新技術ノイズキャンセリングイヤホンがあった。音という敵は瞬時に消え、世界は再び平和を取り戻した。勝利した俺は、静寂という名の王座に座った気分だった。

しかし、数日後再び電車に乗った俺に新たな試練が訪れ

もっとみる

第2話:ホームラン王の誕生

中学時代の部活の話。

入部理由はシンプルで、
仲の良い友達が全員入部したから。

最初は遊び半分でやる気は無かった。
でもなぜかああいうのってやっているうちに途中で突然火がつくんですよね。

何がきっかけかは覚えないけど、
気づけば毎朝自主練をするほど(自分でいうのもなんだが)見違える姿になっていた。

そして、訪れた最後の試合。
自分の3年間の集大成と言える場で才能が開花した。

ホームラン王

もっとみる

第1話:バレンタインデー

毎年やってくるバレンタインデー当日の話。

席に戻る度、無謀にも引き出しの中に手を突っこみ掻き回す。

まあ、当然入ってない。

そして、貰えないまま放課後を迎えた。

「今年も貰えなかったな」と独り言を発しながら廊下を歩いていると、チョコを渡された。

そりゃもう大喜び。

人生で初めてのバレンタインデーチョコ。
しかし、チョコをくれた女の子はやけに冷静。

チョコをくれた女の子:「それ、友達に

もっとみる