現代へ届けたい【花炭】
500年の歴史に想いを馳せる
「花炭」と「菊炭」
「花炭」は、茶の湯の世界で
「菊炭」と共に使用され
飾り炭として、優雅で高貴なものと
室町時代の頃から、親しまれてきました。
「菊炭」とは
茶の湯では最も火力があって美しい「椚(くぬぎ)」が好まれ、断面が菊のように美しいことから、「菊炭」と呼ばれます
菊炭は、茶事の進行に合わせて湯が沸くように
名残を残すように作られており
茶道具としても、観賞に耐えられるものでなくてはならないそうです。
菊炭が赤く美しく燃えている様子を鑑賞し
お湯が湧くまでの時間も
優雅な時間として過ごしていたのだろうと
想像する事が出来ます。
自然の植物を炭にして、その造形、
自然の美しさを感じられるように
花炭と菊炭が、お茶会を彩っていたのでしょう。
炭としての効果
炭には主に「消臭」、「調湿」、「空気浄化」、「電磁波除去」の効果があります。
炭の構造は多孔質になっています。
表面に沢山の小さい穴が空いているということです。
その小さい穴がある為、様々な物質吸着できるのです。
水蒸気は、よく見ると小さい粒が見えます。
匂いは目に見えませんが、同じように
小さな粒が集まっているものなので
その粒が炭の穴に入り、消臭ということになります。
全ての物質やエネルギーは分解していくと
分子、粒子になっていきます。
そう考えると、風水における空気の浄化や
電磁波除去という効果も理にかなっていると
考えられます。
その為、人が集まるお茶の間や
人がよく通る玄関、お手洗い等に
置くと良いといわれています。
「茶道」と「茶の湯」のちがい
私は茶道について、詳しい知識が無いのですが
祖母が茶道の師範をやっていたので
お抹茶を点ててもらい、何度か
茶道の作法について教えてもらった事がありました。
花炭を製作し始めた時、
花炭について色々と調べていると
茶道ではなく「茶の湯」と書かれている。
そこで改めて
「茶の湯」と「茶道」は何が違うのか?と
気になり調べました。
その違いについて簡単に説明すると
「茶の湯」
主に「客を招き、抹茶をたてて楽しむことやその作法、および会合」のこと。
現代でいう「お茶会」のことで
室町時代の僧「村田珠光」により始められました。
「茶道」
「茶の湯によって精神と礼儀作法を磨き、修養を積む道」のこと。
同じく「村田珠光」を開祖とし、「茶の湯の道」を略したものが「茶道」になります。
同じような言葉と思ってましたが内容としては
全然違う意味だと知りました。
大切な人と、同じ空間で共有できるもの
「お茶の間」と、何気なく使う言葉は
家族が食事をする部屋という意味ですが
「お茶」を大切にしてきた日本人が
「お茶」を一緒に楽しみ、共有する大切な空間
という意味も込められてるのではないかと
私は感じます。
なかなかお茶会などの集まりも難しくなったこの時代ですが、どんな時代でも
その時間、空間を楽しもうという
人々の気持ちは、どの時代や歴史を越えても変わらず同じだろうと思います。
共有する空間に、花炭が並び、
花炭を共有してくれている様子を
想像しながら、今日も花炭創りです。
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