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◇キッチン常夜灯 / 長月天音◇
図書館の10月新着にあったので予約して借りました。文庫本ですが、書き下ろしです。
レストランチェーンの浅草店長に抜擢され忙しく働く主人公が予期せぬ事で、会社の倉庫になっている元従業員寮に仮住まいしたことで出会った「キッチン常夜灯」というお店でのお話です。
見返しに著者は新潟県生まれとあったので、書いてはいないけど「シェフの実家は燕市の設定ね」なんて思ったり、仮住まいの場所と「キッチン常夜灯」は水道橋駅最寄りの住宅街で、東京ドーム近くの設定。お店の接客担当の彼女は丸の内線で池袋方面の所に住んでいて、何となく親近感。
料理はほんとうに美味しそうで、こんなお店があったら、私も行ってみたいし、主人公は私の娘みたいな年齢だから「そうだよ、お店にもっと行って、ちゃんと栄養を摂らなきゃだめよ」なんて思ったり…。
途中で、長月天音さんってどんな方かしらとググったら、ご主人を5年間の闘病の末に亡くされたそうで、「あっ、お店でいつもスープを飲んでいる彼女は長月さんなのね」なんて思って、涙しながら読んでしまった…。
主人公が癒やされていく様子にこちらも癒やされていくような、今までにない感じのお話でした。