夜、行き場のない若者たちが集える場所を作って、どんなことがわかったのか①
「寄付のお願い」で書いています
最初に、こちらの記事は、認定NPO法人育て上げネットが運営する「夜のユースセンター」事業を通じて、若者や子どもたちに夜間帯の居場所を提供するための寄付をお願いするために書いてあります。
以下は、ふるさと納税を活用した寄付(12月31日まで)のお願い
以下は、毎月1,000円からのマンスリーサポーターとしての寄付のお願い
いろいろ書いてあるけれど、結局は寄付の依頼なのかと、最後に不快な思いをさせたくないため、冒頭から寄付のお願いでることをお伝えします。
孤立と孤独
見学や視察、ご取材でも必ず聴かれる「どんな若者が来ていますか?」では、「さまざまです」が回答です。しかし、ざっくりでも知りたいという方にとっては、回答にならないため、特徴的なタイプとしてまとめています。もちろん、来所うる若者像はバラバラです。
資料には、非行少年や困窮する若者、「ひきこもり」「ヤングケアラー」「ネグレクト」などの文字で、特徴的な若者像を紐解いています。わかりやすい一方で、実はあまり何もお伝えできていない部分があります。
一方、僕が現場に足を運ぶなかで、そこにいる若者や子どもたちから教えてもらうと、大きく二つのタイプに分かれます。
ひとつは、(おそらく)「孤立」しているひとたちです。孤立の定義はいろいろできますが、客観的に友だちや家族、大人など、ひととのつながりがなくて苦しく、寂しく、頼れるひとがほとんどいないです。
もうひとつは、「孤独」感が高いひとたちです。日中は働いていたり、学校に通ったり、または、家族や友人関係はあります。ひとりになったり、みんなのなかにいたとしても、寂しさを感じています。「ひとりでいてもやることないし」という声も出てきます。ひとりでも、自室で動画見たりもできるわけですけど、それを含めて、誰かがいる場所を求めています。
孤立も孤独も、社会的なテーマとして語られるようになりましたが、この「寂しさ」というのは共通しているように見えます。そのため個別の課題解決も大事ですが、寂しくないような場所をたくさん作ることが重要だと思っています。
トー横に象徴される繁華街に夜集う若者や子どもたちがメディアで取り上げられますが、実際にトー横や、それに近い環境にも足を運んでいる若者も夜のユースセンターには来ます。
ある女性は、「トー横でも、夜のユースセンターでも、行くならどこでもよい。家でなければ」と教えてくれました。自宅にひとりで、または、ストレスのかかる関係性や空間にいることに耐えられないようでした。苦しいと。
ご飯が食べられることについて
夜のユースセンターでは、地域の個店やお弁当屋さんにお願いをして、夜ご飯を準備しています。副菜的にみんなで作ることもありますが、さまざまな若者や子どもたちのこと、地域に協力してくれるお店があることを含めて、みんなで場を作りたいからです。
利用する若者の多くは、ご飯を食べます。職員も見学や視察に来てくださった方々も食べています。ひとりで食べることも、みんなで食べることも、どちらでも構わないのですが、テーブル囲んで食べながら話している若者の方が多いです。
ただ、最初の理由はともかく、夜ご飯を食べに来ている(と言っている)若者は多くありません。実際にはお腹がすいているかもしれませんが、あくまでも、夜のユースセンターに遊びに来た”ついで”に、ご飯を食べているようです。
もしかしたら、ご飯を食べに来ていることは、ご飯を食べに来ないといけない自分自身、または、周囲に対して、気持ちがしんどいのかもしれません。
食糧や食材なども準備しています。帰り際に持って帰る若者や子どもたちが多いですが、これもご飯と同じで、それを目的にして足を運んでいる若者は少なそうです。ただ、特に聞くわけでもないため、目で見ての感想ですが、保護者やきょうだいの分もあるのだろうなということは、わかります。
自宅で食事が出ないのか、給食に頼っているのか、それとも、金銭的に厳しいのか、お腹いっぱいになっていないのかはわかりません。ただ、最低限の調理環境・調理器具が必要なものではなく、保存性があって、お湯やレンジだけで完結するものが選ばれます。純粋に「楽だから」なのかもしれません。
悩みや不安について
夜間帯の居場所を、公共事業ではなく、自分たちで立ち上げようと考えた際、いわゆる成果指標(KPI)や、仕様書(何をどれだけやらないといけないのか)の縛りはなくなります。
行政が事業を作るときは、相談機能が入りやすいのですが、そうなると相談員配置、相談環境の整備、相談がどれだけあったのか(人数・回数)などが事業指標になります。税金を使っているのだから当然と言えば当然です。
しかし、そのような理屈が現場にはどうしてもにじみ出てしまいます。だからこそ、相談することや、夜のユースセンターでどんなことをするのか、を極力なしにしました。僕は「無目的性」と表現しますが、利用する若者や子どもたちには利用目的があるかもしれませんが、こちら側(特に職員)には成果指標のようなものは作っていません。
そのため、こちらから悩みや不安があれば相談機会があるよという投げかけは基本しません。しかし、利用した当日か、利用した一年後かはともかく、個別で相談したいとか、不安があるんですよね、という声はあります。
信頼関係の基盤が重要であり、こちらから詮索的にならないこともあって、本当はもっと悩みを打ち明けたいというニーズはあるのかもしれませんが、それでも、若者や子どもたちからの話があって、いろいろ打ち明けてくれます。
そのなかには、直接的な解決にすぐ貢献できないものもたくさんありますが、ちょっとしたことで緩和したり、前に進むようなものもあります。本人はさらっと話しますが、明らかにルールを逸脱している職場の話や、この先には大きなリスクしかない話もあります。
相談予約あり気だったら、聴かせていただけてないだろうなということもたくさんあります。
若者たちとの接点づくりにはなる(とりあえず①としての結論)
夏以降、平均利用者(日)が20、30名だったのが、30、40名で推移しています。事務所の物理的な制約もあるので、結構な密度になる時間もあります。階段などに座って、話していたり、空いている部屋でスマホ見てたりもします。
日常的に若いひとたちがたくさんいる場所(例えば学校など)にいるわけではないと、30名も若者が集っている空間は、なかなか見応えがあります。標準服で統一されているわけでも、アクセサリーを外さないといけないわけでもないため、「多様」という表現を使ってもよいと思います。
また、毎週必ず来ている若者の存在もあまり多くなさそうです。僕が現場に毎回足を運べているわけではありませんが、足を運ぶと必ず会う空間などもあるため、やはり、そのときどきで夜ユースに行くか行かないかを決めている若者が多そうです。
そのため、初めて見る、話をする若者が必ずいます。その意味で、日中の居場所とは異なる傾向ではないかと思います(データでも把握できるならしたい)。そう考えると、若い人たちが減り、若いひとが採用できなかったり、入学定員数が確保できなかったり、というお話をたくさん聞きます。
(特に採用が難しいという企業さんと連携していってますので、どんどん増やしたいです。一緒に若者を支援、応援してくださる企業さん、ご連絡お待ちしています)
これだけさまざまな若者と日常的に接点を持てる機会は、ますます貴重になっていくのでしょう。夜のユースセンターを選んでくれてありがたいと思っています。福祉領域では、「アウトリーチ」という言葉を使いますが、積極的に接点を作って行くことの重要性は言うまでもなく、一方、夕方から夜という時間帯の居場所は、若者や子どもたちから、私たち(社会)をアウトリーチしてくれる機能が備わっていると感じます。
夜のユースセンターを知り、足を運んでくれた経緯などは、また書きたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。冒頭にも書きましたが、夜のユースセンター事業を継続するため、一緒に場を作ってくださる寄付者を募っています。
以下は、ふるさと納税を活用した寄付(12月31日まで)のお願い
└現在10名!
以下は、毎月1,000円からのマンスリーサポーターとしての寄付のお願い
└現在87名!