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元大手塾教室長が考える大手塾と個人塾の違い【元塾講師】[再掲]

大手塾は公立中学の先生の過去問を保管しています。

何を言っているか分からない人もいるでしょうから、もう一度言います。

大手塾は公立中学の先生の過去問を保管しています。
テスト前はがっつりやらせます。
まあぶっちゃけドーピングです。
先生が異動すると、問題も塾内で共有して届けます。

というわけで本日の結論。

「学校の成績を上げたいなら大手塾一択」

はい、以上。解散!

…で、終わるわけにもいかないのでもう少し続けますね。

僕は数年前まで、東京23区内にあるとある進学塾で教室長をしていました。
そこで思ったことは、やっぱり塾の経営って「地域の評判」もしくは「お母さんの口コミ」が全てなんですよね。

「合格実績」ももちろん重要だし、お父さんには響くんですけど、それよりもお母さん相手には「あの子がいるから通おう」という安心感が勝ち、「あの子が通ってるならやめよう」という不安感が勝つんですね。

事実「地域で評判の悪い子」が通塾すると、露骨にその学年だけ人数が少なくなったりします。逆に「保護者から人気のある」生徒がひとり来ただけで、爆発的に人数が増えたりします。そんなもんです。

では、こういった「人」に頼った形ではなく、「良い噂」をお母さんたちに流す手段で手っ取り早いものはなんでしょうか?

そう「学校の定期テストの点数」です!

そして、そこで結果を出すための仕組みが大手塾と個人塾等の小さい塾との一番大きな差だったりします。

僕の働いていた塾では、初めに書いたように「学校の先生のテスト」を毎回回収して過去問として保管していました。
また、新任の先生であっても、中学レベルの問題はそこまで難しくないですから「出題パターン」は決まってきます。
ですので、僕はテストの出題範囲に合わせて学校の先生のテストを5パターンくらい配布して解かせていました。これでイレギュラーな問題にもある程度対応できます。

さらに、会社単位で「定期テストで高得点を取る」ための取り組みがなされていました。
具体的には、すべての校舎から過去問を回収して出題を分析。よく出る問題を教科書のメーカーごとにまとめて冊子化していました。

まあ、ここまでやっても子供の学力(というよりもその時点での理解)にはムラがあるので、全員結果が出るわけではないですが、ほとんどの生徒の点数はやっぱり上がります。

あなたは、この話を聞いて「そんなんドーピングじゃん!」とか「きたない!本当の学力は身についてない!」とか思ったかもしれません。

でも、残念ながら違います。間違いなく、学力は伸びます。

もちろん、テスト勉強で伸びるわけではありません。
というよりも、中学校のテストははっきり言って「暗記大会」なので本当の意味での学力はあまり伸びないと考えています。
定期試験は、真面目に授業を聞いて、真面目にノートをとった子が点数が伸びる仕組みなんです。
でも、それで正しいと思っています。
学校の成績を決める「学校のテスト」ですから、真面目に取り組んだ子が報われるのが正しいです。

さて、ちょっと話がそれたので戻します。

いつもは60点のAくんが塾に通い、先生から「テスト対策」という名のドーピングを受け、80点を獲得しました。するとどうなるでしょうか?

まず学校の先生に褒められます。多くの親も褒めてくれます。
さらに、塾の講師はそれよりも大げさに、褒めまくります。

すると勉強に対するモチベーションが上がり「良いサイクル」に子供が入ります。
次も褒められたい!
塾の先生の期待にこたえたい!
親を喜ばせたい!
などなど…。
また、点数が下がったとしても、
悔しい…次こそは!
となるのでやっぱり頑張ります。

ちなみにこれ、スタート地点の低い子でも起こります。
例えば、元々は30点しか取れなかった子が40点取れば、親は「塾に入れたのに40点…」と思うかもしれません。でも、大手塾の先生はめちゃくちゃ褒めます。
結果、1年後には高得点がとれていたり、そこまではいかないまでも平均点くらいはキープできたりします。

子供は狭い世界で生きています。
だから彼らの世界で価値のあることで「結果を出させる」ことが大切です。

さらに大手塾の講師は会社から「生徒を褒めなさい」という教育を繰り返しされていることが重要です。

ダメなことをしたら叱って、結果を出したらメチャクチャ褒める。
大手の塾は、講師にこういった教育を徹底しています。
これを実践することで、生徒はついてきます。
モンスターペアレント等の問題もあり、公立小・中の先生はこれが難しくなっています。
叱ったら批判が来て、褒めたら贔屓と批判が来るのですから…。
こんな状況で生徒から尊敬を集めている先生はスーパーマンに違いないと思います。間違いなく。

だからこそ、僕は塾選びにおいては「大手塾」を薦めます。
さらに言えば、通学圏に大手塾が複数あって、2つか3つ順番に体験して、相性の良い先生と出会えた塾に入れるのが一番子供にとって良い効果を生む可能性が高いと考えています。

※この記事は以前投稿、消去したものを加筆・修正して再アップしています。

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