
【読書メモ】博士(心理学)が通俗心理学本を読む DaiGo『トークいらずの営業術』
今回は通俗心理学界のビッグネーム、DaiGoの著書を取り上げる。この配信においてDaiGoはやはり避けては通れまい。DaiGoの著書はあまりにも多いが、順番に取り上げていき定番のネタにしたいところだ。
書誌情報
メンタリストDaiGo (2015). トークいらずの営業術 リベラル社
今回の通俗心理学あるある
まずはいつも通り通俗心理学あるあるから。
①専門分野が心理学じゃないがち
DaiGoは慶応義塾大学理工学部物理情報工学科出身。案の定心理学関係ないうえに学部卒どまりだ。独自に学んじゃうのが怪しさのシグナルか。
ちなみに、著者略歴によると「日本唯一のメンタリスト」だそうだが過言ではないだろうか。メンタリストは自称すればどうにでもなる職業なので、DaiGo以外のメンタリストなんてそこらへんに10人くらいはいそうだが。
②「○○大学の研究」って言いがち
表現を前回(【読書メモ】博士(心理学)が通俗心理学本を読む 黒川伊保子『コミュニケーション・ストレス』)に合わせたが、本書での登場の仕方は少し違う。もう少しよい括り方を考えたほうがいいかもしれない。
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8,269字
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