号泣した女霊 実話怪談
これは先週に身内に起きた出来事である
水曜日の朝
「何か女の霊が出て変な夢を見た」
と言う話をしていたので
「神社に行ったら良いんじゃない?」
と返した
知り合いの拝み屋のお陰で兎に角何かあったら神社は共通のワードになっていた
「じゃあいつもの神社に寄って仕事に行ってくる」
と言ってそれぞれ出勤した
そして夕方いきなり帰ってきたら身内が一気に捲し立てた
以下は身内の話である
今身内が勤務している職場では身内の事を気に入らない人間とのトラブルが起きている
身内はその人間の事は嫌いではあったがここ数日はずっと
(死ねば良いのに)
と何度も思うようになっていたと言う
「嫌いで辞めるか何処かに異動して欲しいとはよく思うけど死ねば良いのにと思うのは自分でもおかしいとは思っていた」
そうした出来事のあった夜中身内が目を覚ますと天井に女の霊が張り付いていた
ニタニタと笑うその女の霊は身内を見下ろすも身内はそのまま寝た
そしてその後に夢を見た
古い時代の夢である女性の従兄弟が実の両親と姉から暴行を受けていた
村の人間は誰も庇わず、唯一庇っていたのが彼女だった
従兄弟はいつもニコニコした心優しい男性で、自分が暴行を受けても村人から疎まれても従兄弟は笑顔を絶やさなかった
しかしそんな従兄弟が変貌する事件が起きた
女性が従兄弟の家族から殺され、切断された彼女の死体を従兄弟に見せつけた
笑いながら彼女の死体を見せつけじぶんの家族に従兄弟は精神の限界を超えた
従兄弟は自分の家族諸共村人達を惨殺し、従兄弟自身も命を絶った
「悔しい。悔しい」
と夢の中で女性は泣いていた
従兄弟家族からの自分への仕打ちではなく、従兄弟が彼女の為に殺人を犯してしまった事が悔しくて堪らない
そう言う彼女の感情が流れ込んだと言う
身内はその翌朝いつもお世話になっている神社に参拝をした
参拝中に隣に来た人物が鈴を鳴らし、柏手を打った
身内はその時礼をして目を閉じていたがその音はよく通り耳に心地よかったと言う
参拝慣れしているのか、鈴の鳴らし方も柏手も神職の様だったと言う
その瞬間身内は涙が溢れ号泣してしまったと言う
身内に憑いていた女の霊も号泣しながら抜けていき、顔を上げるとその人物は既に立ち去っていた
そして昨日、夏バテから回復したであろう知り合いの拝み屋に栄養ドリンクという名の日本酒を持って行った
面白い話を聞いたと騙し、身内に起きた話をすると物凄く嫌な顔をされた
「お前ー俺が怖い話が嫌いと知って狼藉か」
と言いつつも暫く沈黙した後
「その女、自分を殺した従兄弟家族の魂を食って悪魔になったな(悪霊化した)」
悪霊化した女の霊は罪悪感と共に自分と似た様な人間に憑いていた様だった
「神社で多少は身綺麗になっただろうけど魂を食ったと言う罰は残るからな。簡単に生まれ変わったりは出来ん。その男も人殺しをしたから簡単に次に行く(成仏?)のは難しいぞ。ずっと反省しないといけない」
食われた魂は成仏も何も出来ず、
ずっと暗闇に1人で閉じ込められた状態で苦しむとも聞いた
全く縁もゆかりもない知らない人物でgはあるが、彼女らの成仏を願わずにいられない
終わり