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「書く」という悩みの解決法

文章を書くというのは健康法の一種だと思います。

書くことはデトックスになります。
頭の中が、常に雑多な思考で散らかっていたとしても、
それを紙に吐き出してみるとスッキリしてくる。

何食べようか?お金がない…。今日は何をしようか。スマホはどこだっけ。

試しに、ただ頭に浮かぶ言葉を、時間を決めてそのまま紙に書きなぐってみましょう。15分でも30分でも1時間でも構いません。

時間の長さはたいして問題じゃない。たいせつなのは、何分、何時間であれ、自分が決めた練習時間のあいだは完全に没頭することだ。
『書けるひとになる!ー魂の文章術』

字の汚さとか、日本語として正しいかとかそんなことは気にする必要ありません。書いて見返すと嫌になるなら見なくて大丈夫。くしゃくしゃに丸めて捨てても構いません。書きながら思いついた重要なこと、ふと思い出した重大なことだけ別で記録しておけばいい。

吐き出すように書くと、頭の中のモヤモヤというか、濁り水というか、そういうものが外部化され、スッキリするはずです。頭の中が整理され、問題を解きほぐし、集中して取り組む用意ができるでしょう。

『書けるひとになる!』は文章上達を目指す人に向けて書かれた本だけれど、このワークは誰がやっても意義のあるものになるのではないかと思います。

悩みを書く

悩みは、大抵の場合書けばスッキリします。書かれた悩みが”過去の自分”という他者の悩みになるからです。大げさに言えば、ですけど。

他者の悩みを聞いたために、自分が混乱して何も手につかなくなることは少ないですよね。書くとあれに近い状態になります。状況が整理され、正しい問題が見えた瞬間、悩みはほとんど解決している。

僕は悩んでいる時「おぉ、この苦しみの気持ちを書き残しておこう。放っといたらいつか消えてしまう」と思って、さっそくノートに思うままに書き出すのが習慣になっています。

頭の中でモヤモヤしていることを書き出していると、不思議なことにだんだん楽しくなってきて、「まずいまずい、苦しい気持ちがどこか行っちゃうよ」と遊ぶゆとりさえ出てくるのです。

たとえ楽しくはならなくても、書く前よりは落ち着いてくる。感情的な面を静めて、論理で対処する用意ができると言えばいいかもしれません。情動を馬、理性を騎手とすると、書くことは暴れる馬を手で撫でてなだめすかし、進みたい方向に誘導していくようなものです。

僕は、書く習慣さえできれば楽しく賢く生きられると思っているのですが、それは暴れた馬をなだめる方法を知っている安心感があることで余裕が生まれるからでしょう。

書くことと走ること

書くことと走ることは似ています。

「いやあ、300メートルも走ったらクタクタになるからもう走るのは金輪際やめておくよ」と言う人がいたら、なんとアドバイスしますか?

「とにかく、少しずつでいいから定期的に走るようにしたら?」と言うのではないでしょうか。

走るのが体にいいのは間違いないし、走れば走るだけ、走れるようになっていくものだと知っているからでしょう。

少しずつでいいから走る習慣をつけて走れる距離を伸ばしていけばいい。最初は歩いたって構わない。

これは文章も同じ。

書けば書くほど、上手くなるものです。

上手くなるというのは、全米を感動させる文章が書けるとか、そういうことではなく、自分と対話し表現するのが上手くなるということ。自分を説得するのも上手くなります。

ジョギングが体にいいように、書くことは脳に良いと対比のように書いていますが、実は、紙に書くことは脳にも、なんなら体にもいいのです。それはぜひこちらをどうぞ。僕の文章よりうんと信頼と認知のある「STUDY HACKER」の記事です。

紙がいい

頭の整理とか思考を複雑化させたいとか、精神を安定させる意味で書く習慣をつけたいのであれば、紙のノートに書くのをおすすめします。

誰にも見せないつもりで自分の気持ちに集中して書いてみてください。ペン先に意識が集中すると雑念が消えていく感覚を得られるはずです。

紙のノートに書いていると、自然と発信したいことも出てきます。そのまま書くよりも、一回紙にガーッと書いた後の方が自分独自の発想を盛り込めるようになるかと思います。

僕と書くことの関係

僕の場合、悩みは書きさえすれば大体解決するし、解決できなくても、悩みが整理されるので単に「課題」や「問題」になり、人に相談できるようになります。他の人もそんなに違わないのではないかと思っています。

最近は、悩みを整理する自分なりの書き方がわかってきたので、深刻に悩まなくなったように感じています。

ただ、たまには深刻に悩まないと面白くないかもなと思った時、あえてノートに書き出さないようにしたりします。それで、「あぁ、苦しい苦しい」というのを味わって、「そろそろ深みにはまって鬱になりそう」というところで書く作業を開始すると次の日に持ち越すことなく楽になります。つまり、ある種の趣味として悩んでいるわけです。

こういう悩み方って豊かだなと勝手に思っています。

書き出すと未来への不安にも対処できるので、チャレンジングなことも比較的やりやすくなったと感じています。ぼんやりとした不安が一番行動を制限してしまいます。

最後に

自分が毎日書いてばかりいるから、それを正当化するためにこんな文章が書けたんだという気もしなくはないですが、「書く」のはやっぱりいいなと思います。

前に、「論理でコントロールできるのは行動だけ。感情はコントロールできないから、行動を変えることで間接的にコントロールするのである」という話をしました。

これに重ねるなら、あなたの行動を変える力となる論理は書くことで鍛えられます。

毎朝、ただ思いついたことを書くという習慣を持つだけでも、「今日やること」をやる率は上がります。書くことで行動をコントロールできるようになるためです。長期的に意味ある活動をやる率を上げるためにも書くことはおすすめです。

というわけで、みなさんぜひ「書く」という健康法を試してみてくださいね。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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久高 諒也(Kudaka Ryoya)|対話で情熱を引き出すライター
サポートいただいたお金は、僕自身を作家に育てるため(書籍の購入・新しいことを体験する事など)に使わせていただきます。より良い作品を生み出すことでお返しして参ります。