子どもの8割がやる気ダウン…親に言われた辛い言葉
疋田:今回は、親(大人)に言われてつらい、またはやる気がなくなる言葉や振る舞いがあれば書いてくださいというアンケートをとりました。
久保田:今回も、受け取った子どもがどう感じているのかを解説していきながら、アンケートの声をご紹介していきたいと思います。
疋田:つい言ってしまうセリフの代表のような気がします。やはり子どもは肯定的には受け取らないものですね。
久保田:”もっと”、”大丈夫?” ””そんなんやから”という言葉は、”今よりももっと”、”今のままで大丈夫?””今がそんなんやから”という現状の否定を含んでいると子どもは感じるようです。
疋田:自分の頑張りをもっと認めて欲しいという気持ちがあるようですね。
久保田:ここで面白いのは点数を褒めて欲しいわけではなく、”勉強したこと”・”頑張ったこと”を認めて欲しいと感じている事ですね。また他の子と比較されることは、”自分をみていない”というメッセージになってしまいますので、辛いと感じる子どもは多いようです。
疋田:監視されるのは嫌だという気持ちから来ていると思います。親としては見守っているという気持ちからきているとは思うのですが…そう受け取ってくれるとは限らないのですね。
久保田:監視と見守りの違いというのは、子育てにおいて良く言われることです。この違いは、受け取る側が”安心できているかどうか”で決まると言われています。もちろん保護者の方も心配しての行動だと思うのですが、子どもが安心しているかをよく見てあげることが大切ですね。
疋田:親に”勉強しなさい”と言われて”今やろうと思ってたのに!”とやる気をなくしてしまうのは、子どもからするとよくあることのようです。一方で親からすると子どもが勉強していないから”勉強しなさい”と言うわけなので、”今やろうと思ってたのに”と口答えするくらいなら”さっさとやってよ”という気持ちにもなるようです。
久保田:この”今やろうと思ってたのに…”ということについてはよく子どもから相談されますし、保護者の方からもこの事で口喧嘩になってしまったと相談された事もあります。自立期の子ども心理には、いつやるかということを自分で決めたいという欲求が生まれてきます。親から”勉強しなさい”と言われることでこの欲求が満たされないと感じることで、子どもがやる気を失ってしまうのです。
この時に大切なのは、勉強時間を親子相互の話し合いで事前に決めておくことが一番です。こういうことは家族のルールですので、ご飯の時間やスマホのルールも決めておくことが大切ではないかと思います。
まとめ
久保田:”子どもを思い、心配している気持ちから子どもに声かけしているだと”いう保護者の方の気持ちは大変よくわかります。今回のご紹介した声かけでも、”よしやってみよう”となる子どもも少数ですが全くいないわけではありません。2割は厳しい声かけが通用する子もいます。大切な事は、子どものやる気に繋がっているかどうかなのです。かけた言葉が子どものやる気を促しているか、よく観察しながら声かけをすることが大切です。