ペンシルバニア大学MCIT修士課程の2年目を終えて〜オンライン留学体験記〜
こんにちは、くぼみです。元デザイナーで、現在はペンシルバニア大学でコンピューターサイエンスを学んでいます。入学2年目となる2023年を終えたので、その経験をシェアしたいと思います。
MCITプログラムの概要
私が学んでいるペンシルバニア大学のMCITプログラムは、コンピューターサイエンスの修士課程で、オンライン完結型です。日本に住みながら留学できるのが大きな利点です。プログラムの詳細や私の出願から入学までの経緯は、過去の記事で詳しく紹介しています。
2年目の振り返り
1年目の2022年には、以下の3つの授業を履修しました。2年目の2023年は、新たに3つの授業に挑戦し、学業以外の生活とのバランスを考慮しながら春学期と夏学期に1つの授業を完了し、秋学期には2つの授業を履修しました。
それぞれの授業について振り返ります。
1. Introduction to Computer System
この授業は、今まで受けてきた中で最も面白い授業でした。わかりやすいレクチャーにより、コンピュータの基本的な仕組みについて深く理解できました。
学んだ内容
トランジスタの仕組みから、論理回路やラッチ回路の仕組み、そしてメモリや計算機の仕組みに至るまで、コンピュータの基本的な構成要素について幅広く学びました。
機械語、アセンブリ言語、C言語を学び、これらを通じてコンピュータがどのようにデータを表現し、情報を処理し、プログラムを実行するかを学びました。
課題
実用的な課題を通じて、学んだ理論を実践に移す機会が多くありました。特に、C言語を使用してアセンブリ言語を機械語に変換するアセンブラや、その逆の逆アセンブラの実装は、理論と実践の結びつきを深めるのに役立ちました。
2. Computer Systems Programming
この授業は、以前受講した「Introduction to Computer System」の続編として、C言語を使ってシステムプログラミングをさらに深く学びます。
学んだ内容
オペレーティングシステムの基本概念: 授業の前半で、現代のオペレーティングシステム(OS)におけるプロセス、スレッド、同期、仮想メモリといった重要な概念について学びました。
ネットワークシステムの基本: 後半では、ネットワークシステムの設計と実装に関する基本的な概念に焦点を当てました。
課題
最も印象的だったのは、C言語を使用して簡易なシェルを実装する課題でした。日頃使っているターミナルのような機能を自分の手で実装する経験はとても面白かったです。
3. Algorithms & Computation
めちゃくちゃ難しいことで知られるアルゴリズムの授業。締切に終われてヒイヒイと言い続ける日々でしたが、好奇心をモチベーションになんとか乗り切りました。
学んだ内容
このコースは、アルゴリズムの設計と計算量の分析に重点を置いていました。ソートや検索アルゴリズムから始まり、最短経路問題のようなグラフアルゴリズム、そして動的計画法や貪欲法といった一般的なアルゴリズム設計パターンにも触れました。
授業だけでは理解できなかったトピックについては、Youtubeでよりわかりやすい解説を見つけて理解を助けてもらったりもしました。複雑なことを理解するのには時間がかかりますが、その分、秀逸なアルゴリズムを理解した時の感動は大きかったです。
課題
このコースの難しさは授業課題にあります。各問題に対して①アルゴリズムを設計し、②その正当性を証明し(これが難しい)、③計算量を分析するとという課題でした。1日では終わらず数日かかっていました。
課題のほかに、授業で習ったアルゴリズムに関連する競プロの問題をLeetCodeで解くようにしていました。おかげでコーディングテストやコーディング面接の対策にはとても役立っている実感があります。
以上が私が2年目に履修した授業の振り返りになります。
授業外の活動
2022年の夏休みにはヨーロッパへの一人旅をして、様々な国に住む同級生たちと交流しました。2023年は海外へ行くことはありませんでしたが、多くの新しい出会いと交流がありました。
私の発信を見て入学した方に会った・・・!
私のnoteをきっかけに、ペンシルバニア大のオンライン修士に興味を持ち、実際に出願をして今年入学したという方にお会いしました。 オンライン留学に興味がある人に少しでも役立てればと発信してきましたが、実際に誰かの挑戦につながったと知り、素直にとても嬉しかったです。
ベトナムの同級生が日本に遊びにきた
前年の授業でグループ課題を一緒にやって以来、ちょこちょこと連絡を取り合っていたベトナム在住の同級生。家族旅行で日本に遊びにくるというので、一緒にスシローで回転寿司を食べました。良い思い出。
2024年の展望
3年目となる2024年は、計画通り進めば年内に卒業できる見込みです。必修授業は全て履修済みなので、残りの授業では興味のあるコースを選択します。
ということで
オンライン留学の2年目を振り返ってみると、多くの学びと成長がありました。3年目も楽しく学んでいきたいと思います。この記事が、オンライン留学やペンシルバニア大学のMCITプログラムに興味を持つ方々にとって参考になれば幸いです。