100年後も残したい日本のクラフトマンシップ
CRAFSTOの本店兼工房は、創業当初からものづくりの街”浅草〜蔵前エリア”にあります。
第一号店は、最寄駅が蔵前駅。2022年5月に移転した第二号店(現在)は浅草橋駅から徒歩2分の場所にあります。
「日本のクラフトマンシップの継承」、そして「限りある資源を有効活用するものづくり」に一緒に取り組んでくれている職人チームは、日々技術向上を目指して貪欲に取り組んでいる実直なメンバーです。
それぞれが多種多様なバッググラウンドを持ち、CRAFSTO製品のDNAを支えてくれています。
私も、ベンチャーキャピタルで働いていた時代には世の中にある商品が「人の手によって作られている」背景を理解出来ているようで理解しきれていませんでした。
現在は、自社工房で裁断、縫製、コバ塗りなど一つ一つの工程に向き合って制作を行う職人の姿に、「モノを所有する事の有り難み」や「大事にモノを使用すること」の大切さを教わっています。
今回、制作の合間にCRAFSTOの職人3名に時間をもらい、みんながどんな気持ちで日々生産を行っているのか、目指している姿や届けたい想いを聞いてみました。
ご紹介していきます。
職人1:フィレンツェの職人学校がバッグ職人キャリアの始まり
まず最初に紹介するのは、身長180cm後半のモデル並のスタイルで颯爽と仕事する姿が格好良いバッグ職人。際立つ集中力で、日々黙々と制作に取り組んでくれています。
ー経歴、ものづくりを仕事にしようと思ったきっかけは?
20代は主に服飾雑貨、バッグ、鞄の販売に携わっていました。
その後、都内の小さなOEMメーカーで生産管理を経て、30歳で単身渡伊。フィレンツェの職人学校と現地の工房でインターンとして働き、翌一年後に帰国しました。
帰国後は創業40年の老舗バッグメーカーで8年ほど修行しながら、現在はCRSFSTOの職人メンバーとしてバッグ工房を盛り上げてくれています。
長年販売の仕事をしていたので、次第に自分でオリジナルのバッグを作ってみたくなったことが最初の大きなきっかけです。
より深く、バッグというものを構造的に知りたくなったことも理由の一つです。
ーものづくりの面白さや興味深い点、つづけている理由は?
ものづくりを通して、日々発見と成長を感じられる事に非常にやりがいを感じます。
永遠に終わりがない点。生涯修行だと思っています。
また自分が携わった仕事や製品が形として残り、お客様の生活に溶け込んでいく事がとても面白いと感じます。
ーCRAFSTOのクラフトマンシップで実現したいことは?
常に新しい事にチャレンジし続けるクラフトマンシップでありたい。
それがCRSFSTOならできると思います。
それを達成するために、私はこの会社に来ました。
ーCRAFSTO製品を作る際に、特に意識して大切にしていることは?
単純にかっこよさ。
バッグに関しては、モノを入れた時のシルエットの美しさも計算して型紙は切っています。
日本人の職人から生まれる美意識と、細かな気遣いを感じてもらえる様にと意識しています。
ー今後どのような職人になっていきたいか?
職人を目指すきっかけを与えられる人になりたいです。
人から憧れられるような存在。
国内外、国籍問わず、指導や若手育成にも携わりたいです。
職人として迷いなく前に進む姿が魅力的で、アトレ恵比寿ポップアップストア開催時にはワークショップを行ってくれました。参加者のお客様からの評判も良く、初めて物を作る人にも「ものづくりの楽しさ」を伝えてくれています。
職人2:ニットの製造技術者の経験もある財布小物職人
次にご紹介するのは、個人のパフォーマンスを追及しながらも常に組織全体の目指すゴールを意識しながら邁進してくれる、バランス感覚の優れた職人です。CRFSTOらしいクリーン×ミニマルな装いで、制作に打ち込む姿が格好良いです。
ー経歴、ものづくりを仕事にしようと思ったきっかけは?
建築系の学校を卒業し、エクステリアメーカーに就職しました。
しかし元々ファッションが好きだったので、進みたい道で挑戦しようと思い会社を退職。
その後、服飾の専門学校へ入学。専門学校で学ぶ中、デザインよりもつくる方への興味が強くなり、ものづくりの道へ進みたいと思ったのが職人キャリアのきっかけです。
革職人として小物制作を主に担当してくれていますが、過去には革ベルトメーカーにて、サンプル製作、量産製作。ニットメーカーにて、機械編み婦人用セーターの製作などの経験もあります。
ーものづくりの面白さや興味深い点、つづけている理由は?
ものづくりは、人間性がそこに現れるような気がするのが興味深く面白い点です。
ものづくりを面白いと思わなくなる日が来るまで、続けるつもりです。
ーCRAFSTOのクラフトマンシップで実現したいことは?
CRAFSTOでしかできない、オリジナリティの高い魅力的な商品の製作にチームで取り組むこと。
ーCRAFSTO製品を作る際に、特に意識して大切にしていることは?
同じ製品を作る場合でも、より良くつくること。より早くつくること。「小さな改善の積み重ね」を大切にすること。この三つを心がけ、製作に取り組むことを大事にしています。
見知らぬ誰かのためではなく、身近な家族や友人のために作るような気持ちで毎回向き合っています。
ー今後どんな職人になっていきたいか?
まず個人としては、製作の技術や引き出しを増やして専門性を高めること。
求められている事に対して、期待以上の結果を出せるような職人になっていきたいです。
その上で、CRAFSTOの職人チームとしての強度も高めていけることが理想です。
一つ一つの工程を丁寧に行い、改善に対しても常に前向きな姿勢は年下のメンバーからも「プロの職人」として見本になってくれています。
職人3:老舗ランドセルメーカー出身!海外工場で技術指導経験有り
最後にご紹介するのは、33歳で国内で数人しか製作できないダレスバッグの技術を修得。日本各地の工場・職人との広範な生産ネットワークでCRAFSTOの生産体制を担ってくれている爽やか職人です。
ー経歴、ものづくりを仕事にしようと思ったきっかけは?
革職人としての経歴は、老舗ランドセルメーカーで5年、同社の海外工場での技術指導歴1年。その後は10年間フリーランスのレザー職人として、数々の国内レザーブランドの企画や製作に携わってきました。IT企業で3年間働いていた事もありますが、CRAFSTOの未来のものづくりを考えるヴィジョンに共感してヘリテッジ社へ入社を決意しました。
ーものづくりの面白さや興味深い点、つづけている理由は?
人として創造的でいられることが、ものづくりを続けている理由です。
また、昨今はインターネットやIT、AIの普及により表現の幅や選択肢が広がったことも面白い点だと感じています。それに加えて、つくる仕事にはオンラインだけでは完結できない「現場」があることも魅力の一つです。
ーCRAFSTOのクラフトマンシップで実現したいことは?
私は今職人としてだけでなく、ブランドの生産管理も担当しています。過剰在庫や大量廃棄など、物質的に無駄のない生産体制を構築していくことが目指しているゴールです。
持続可能かつ、手に取った人の気分がアガるような品質のものづくりをしたいです。
ーCRAFSTO製品を作る際に、特に意識して大切にしていることは?
素材を提供いただいている取引先様や、生産を依頼している工場や職人、歴史への感謝と敬意を払うこと
挑戦すること
文化と多様性を尊重すること
ー今後生産管理(職人)としてのヴィジョンを教えてください
先に述べた、過剰在庫や大量廃棄など、物質的に無駄のない生産体制を構築し実現すること。
業界が持続可能かつ、手に取った人の気分がアガるような品質のものづくりを続けていくこと。これが今私の考えているやりたいことです。
若い頃から老舗ランドセルメーカーで経験を積み、現在は新製品のサンプル制作を行いながら、ブランドの生産管理担当者として品質の向上に努めてくれています。
クリエイティブディレクターに同行して工場視察をしたり、海外サプライヤーとの商談など日々情報収集に貪欲な頼れる存在です。
若い人も成長していける業界になりたい
今回ご紹介させて頂いた通り、CRAFSTOには様々なバッググラウンドを持った職人が活躍してくれています。
店頭に並んだ完成形の商品だけでは伝わりきらない「人の手触り感」が少しでもこの記事から伝われば嬉しいです。
浅草橋本店兼工房では、定休日の水曜日以外はお気軽に足をお運びいただけます。
創業の物語
創業までの道のり ベンチャーキャピタル業界から皮革産業に転身
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