書くことで大事なこと:おはなしを書くこと1
こんにちは、くぼひできです。売れてない作家をやっています。ジャンルは児童文です。児童文学というほうが一般的です。noteでは大人向けの話も載せました。
創作論の1こめなので、書くことについて大事なことを。
あたりまえのことなのですけど、でもなかなか難しいという人が世の中には多いんですよね。これができるだけで才能のひとつです。
それは
お話を書き上げること。完結させること。
あたりまえですよね。でも、なかなか書き上げることができないという人が多いんです。お話の最初だけでたたんでしまった原稿が多いという人もいるのではないかと思います。
長編を読むと長編を書きたくなるじゃないですか。で、勢いこんで書き始めるんですけど挫折するんです。
原因は単純です。自分の能力を過信しているんですよね。読めるんだから書けるんじゃないかと。
もちろん、天才は書けるんです。天才のことは放っておきましょう。わたしは天才じゃない!(この自覚は大事です。でも別の天才を持っているかもしれません)。
始めたら終わらせる。
これが大事なんですよ。かの手塚治虫も(マンガですが基本は同じ)、「まず短編を描こう。16枚が描ければ24枚でも32枚でも描けるようになる」と言っています。まったくもってそのとおりです。
短編をきちんと書き上げることができるというのが大事なんですよね。その積み重ねの先に、長編を書き上げることができる。
おはなしは、良い始めかた・良い続けかた・良い終わらせかたの3つでできます。なにが良いかは人それぞれだし、作品によっても違うし、読者によっても違うので、一つの答えにはたどり着きません。
ですが、何が自分にとって良いのかを、見つけだす作業が大事です。これを習作といいます。
正直言うと、習作はおそらく一生続くのです。自分の文章の技術がこれで良いと止められるのは大家中の大家だけで、どんなプロだって自分の技術をさらに磨こうとしているものです。
なので、コツコツと書いて、書き始めたら終わらせて、を繰り返すしかありません。
短編がなぜいいかというと、その短さゆえに全体を見通しやすいからです。短いからこそ構造(骨格)もシンプルになるし、人物も多く出せない。場面もそんなに数多くは出せません。
小説の基本は説明と描写ですが、説明多めの小説を読ませるように書くのはそれはそれでたいへんです。描写だけだとよくわからないものになる。
この説明と描写の塩梅も短編ならば見通しがやりやすい。
まずは短編でちゃんと終わらせる
この方法で練習するのが一番です。
短編が書けるようになれば、長編の一節一節も(一章一章でも同じ)、短編の応用だと気づきます。そう思えばよい節や章にしようと心がけるようになります。つまり、一行空いたら良い書き出し。締めくくりは短編のように印象的にする。これらを意識するだけで、長編は読みやすくもなるし、おもしろくもなるし、気を引くようにもできる。
という感じでしょうね。
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