2031年の超高齢化人3
地方の首長たるもの、社会保障の実態を把握し、高齢化先進国の日本が向かうべき方向を理解しておく必要があるだろう。
タイトルは、この記事の事実を読んでもあまり悲観的にならないよう某有名漫画の内容をオマージュした。
これからは、高齢者でも強く長くたくましく生きる必要があるとの願いも込められている。
今回は、「社会保障クライシス 2025問題の衝撃」を読んで学びを深め、2031年の地方をどうしていくべきかを検討したい。
はじめに
超高齢化社会の日本では、様々な問題が噴出している。
老老介護
社会保障費の増大
年金制度の瓦解….etc
様々な問題が山積していることはなんとなく知っているが、
何がどうまずいのかという詳細まで理解できていない。
まず数字を確認しながら、具体的な問題を明らかにしていこう。
まず現状として、国の歳出の中で社会保障費がどれだけの比率を占めているのかというと、約30%程だ。
金額にすると32.5兆円。
続いて国の歳入で言うと、97.5兆円だ。
そのうち、税金による収入が約58兆円、国債は39兆円ほどだ。
つまり給付と負担のバランスが取れておらず、
給付の割合がすごく高いのがわかる。
こうなった背景として、日本の経済成長期やバブルを通して、日本という国が豊かになった。その見返りとして、国は国民に手厚い社会保障を用意した。
しかしその頃から20年間GDPが横ばいで、さらに社会保障を受ける側の人口が増加しているのに社会保障が手厚いまま。
これが問題なのである。
そして、2025年問題だ。
2025年には団塊の世代(ベビーブームの世代)が後期高齢者になる年だ。
これがどれくらいのインパクトかというと、2022年の日本の出生数が80万を切ったのにたいし、この世代の出生数は800万人いるという。
この世代が後期高齢者になり、医療費負担が減り、医療・介護制度にお世話になる割合が増える。
そうすると、社会保障費も増える。
そして、もう1つ同時に発生する問題が、
団塊の世代の子ども世代は就職氷河期の時代にバブル後に
社会人になった世代で、非正規労働者の割合が高く収入が少ない。
この世代の約40%が非正規労働者だというから驚きだ。
この世代の親が後期高齢者になり、大きな病気や体の衰えから介護の必要性や高額の医療費を親子で負担するということになると相当まずいということだ。
ただでさえ、働き手が少ないのに親の介護などで離職を余儀なくされ貧困に陥ってしまう確率がすごく高くなる。というのが「2025年問題」の正体だ。
2025年はもう2年後に迫っている。。。
2025年を境に日本は破綻に向かっていくだろうというのがこの本の主張だ。
社会保障費の増大に合わせて、今までやってきた通り国債を発行できれば問題ないと考える人もいるが、それは違うらしい。
日本の国債のGDP比は高く、本来なら金利が上昇し、ギリシャのように経済が破綻してもおかしくないが、国民の異常な預金率のおかげでなんとか国の信用を保てているとのことだ。
額にして、1700兆円もあるらしい。。。
(そもそも経済にそれが回っていれば、こんなことにはなっていないのかもしれないが、、、)
2031年の地方自治体
さて、ここからは2031年の地方にできることを考えていきたい。
本に書いてある解決策はこんなところだ。
・国民負担率の上昇
・医療供給体制の縮小
・外国人労働者の受け入れ
・資産の流動化による介護費用捻出
・就職氷河期世代の処遇を高める(同一労働同一賃金)
私はもう少しミクロの話、
地方自治体で実現し得ることについて話をしようと思う。
2031年の地方自治体では、
介護人材はさらに人数が足りなくなり、準介護サービスが出始める。
医療機関では、オンライン診療等が進み、医療現場の仕事の効率化が起きる。
外国人労働者の受け入れが進み、介護職につく国人労働者が増える。
ことが予想される。
準介護サービスとは、私が構想しているのは40-50代を対象にした、運動療法メインの健康増進プログラムだ。
介護版ライザップのようなイメージだ。
医療機関では、受診者数の増加により、医療現場の効率化や地域のクリニックと都市病院の役割分担等が大幅に進む。
地方においても、外国人労働者が増え若者は都市に集中するため、高齢者と外国人労働者の町ができる。
未来の首長としては、地方の健康寿命の増進を目指したい。
一度大きな病気をしてしまうとそこから這い上がってくるのは金銭的にも、身体的にもかなり辛い。予防が絶対だ。
アプリや何かと紐づけて、歩数によって病院受診料が変わるなんてのも面白い。
病院の診療待ちの時間を利用して、運動プログラムを開催したり、実現できそうな仕組みがあるだろう。
いかがだっただろうか。
これからの地方は特に高齢者問題を意識しなければならないだろう!
私もまだまだ学びを深める必要があるだろう。
今回の本はこちら
社会保証クライシス -山田謙次
日本の社会保障のリアルが書かれています。
是非ご一読を。