西武柳沢・サンニイベイカー|誘われるようにひきつけられるおしゃれ街パン
ひし形のように縦に広がる西東京市。南東に位置する街・柳沢を通る機会があり、気になっていたパン屋 サンニイベイカーに訪れました。
駅前は平日のお昼すぎとは思えない、ひと気のなさ。駅前らしく飲食店をちらほらみかけますが、ひっそりとしていて思わずきょろきょろあたりを見回してしまうほど。
知っている駅前の雰囲気とは違いすぎて、不思議な場所に迷いこんだような感覚です。
バスロータリーを抜け図書館の脇を進むと、地元のマダムと思しき方が4~5人集まっているのが視界に飛びこんできます。もしやパン屋に並んでいる!? とドキドキしたものの、隣の整骨院前で開かれていた井戸端会議だったようでひと安心。
入口はめずらしく引き戸。入店すればマスクごしでも伝わる、ほがらかな笑みを浮かべた店員さんがやさしく迎えてくれました。
サンニイベイカー
西武柳沢駅から徒歩約3分、沿線にお店を構えるサンニイベイカーは、平日の週4日限定で開店するパン屋です。
2019年10月9日に柳沢にオープンして今年で5周年。マーガリンやショートニングなどの添加物を使用しないパンづくりをおこない、地元民に愛される街のパン屋として根付いています。
オールド感のある木製ショーケースがあり、一段目はハード系、二段目に菓子パン、三段目にお惣菜系パンがならんでいます。
13時に到着すると、売り切れてしまったパンが多くてさみしげな印象。店員さんにうかがったところ、12時から来客が増えるので13時には品薄になりがちとのことです。
残念ながら冷蔵ケースにもほとんど残っていません。「開店直後の11時~12時、二度目に焼きあがる15時以降なら品ぞろえがいいですよ」と教えてくださったので、訪れるタイミングが大事ですね。
ロデヴショコラがイチ押し
立派なバゲットの横に、かわいらしくちょこんと並んでいたミニバゲットにひかれて購入しました。
クラストは薄めでパリパリっとした食感。クラムはソフトでもち・ふわ。ハードすぎず、食べやすい食感です。
クセがないまっすぐな味わいに、ほんのりと塩味を感じます。クラムの存在感があるので、オリーブオイルやバターなど、コクのある素材とあわせて食べたくなります。
クープからゴツゴツとしたくるみが顔をのぞかせます。無骨な風合いがハード系好きの心をくすぐるビジュアルです。
むちっと少し糸を引くように裂かれていく生地。たっぷりのくるみが包まれ、油分と風味が底上げされています。食べ進めていくうちに広がっていく大地のような素朴な味わい深さから、森のリスになったような感覚をおぼえます。
厚めにカットするときは、少し焦げるくらいリベイクするのがおすすめです。
細長くねじられたように成型されたロデヴ。好きと好きが掛けあわさった「ロデヴショコラ」のポップをみた瞬間に即決しました。
軽く押すとふにゃっとしていて、高加水によりしっとり・ねっとりとした生地です。
オレンジピールのあかるい酸味と、皮部分の苦味がかすめていきます。カカオと赤ワインのような豊かな風味が軽やかな酸を包み、じっくりかみしめたくなるおいしさです。
チョコレート感よりも、カカオの芳醇さが引き立つ風味。おやつ感覚で食べられる甘さもしっかりあるので、15時になったら食べたいパンですね。
鮮やかな色あいにひきつけられて購入しました。小ぶりなサイズであっという間になくなってしまいます。
歯があたった瞬間にホロホロと崩れていく、はかない食感です。バターのコクと塩味が押し寄せる、バター好きのためのスコーン。ホワイトチョコの甘さもしっかり感じます。
残念ながら抹茶の風味が薄かったので、プレーンのほうがおいしくいただけるかもしれません。
タイミングを狙って再訪したい
新商品の抹茶カヌレをはじめ、発酵バターサンドやフレンチトーストなど目当てのパンが見当たらなかったのが悲しい……
ラインアップは当日にInstagramで紹介されるので、気になるパンがあれば過去の傾向をチェックしたうえで開店後早めに行くのがよさそうですね。
撮影の許可や質問に対して、にこやかにお答えしてくれたやさしい店員さんでした。常連の方だけではなく、初めて訪れたわたしにもおだやかに接してくれ、心温まる接客に好感がもてます。
ずらりとパンがそろったショーケースをみて、パン選びをする楽しさが物足りなかったのが心残り。機会があればまたうかがいたいです。
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