植木鉢に願いを込めて
自分の植木鉢に朝顔の種を蒔いた、
小学1年生の時の記憶。
上履きから靴に履き替えて、
クラスのみんなで教室の横の校庭に集まる。
一人一人に
プラスチック製の
植木鉢が与えられて、
先生の指示に従い
ゴマみたいにとても小さい種を、
土の中に埋めた。
「元気に大きく育ってね。」と
願いを込めながら。
水やりを欠かさずに、
季節は春から夏に変わる。
成長過程で付けた支柱に巻き付く、
茎と葉。
そのすぐそばには、
儚くも美しく咲いている、
朝顔の花。
カラフルではないけれど、
満開に咲いていて
元気に大きく育ってくれていた。
幼いながらにも、
こんなに嬉しいことは無かった気がする。
「生活」という
あくまでも授業の時間だったけれど、
その時間は心が穏やかだった。
きっとそれは今でも変わらない。
きっと、植木鉢に願いを込めるのも。