実数と絶対値
実数
実数とは大きく分けて有理数と無理数に分かれます。
さらに有理数は整数、無限小数などに枝分かれします。
自然数 1,2,3…
整数 0,±1,±2,±3,…
有理数 $${\frac{m}{n}}$$(m,nは整数で$${n\neq0}$$)
これらの数は感覚的に分かりやすいですが、
実数とは何かと言われると上手くイメージできないかもしれません。
まずは以下のような理解でイメージしておくと良いです。
そして「隙間をすべて埋めた」=「連続性」というイメージです。
絶対値
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定義:絶対値
すべての実数$${a}$$に対して$${a}$$の絶対値$${|a|}$$を以下で定義する.
$$
|a|=\left\{
\begin{array}{ll}
a & (a \geq 0)\\
-a & (a < 0)
\end{array}
\right.
$$
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絶対値に関して次の有名な命題が成り立ちます。
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命題
実数$${a,b}$$に対して以下が成り立つ.
$$
\begin{array}{ll}
(i). |a|\geq a \\
(ii). |a|\geq -a \\
(iii). |a+b|\leq |a|+|b| (三角不等式)
\end{array}
$$
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(証明)
(i)の証明
$${a\geq0}$$のときは定義より$${|a|=a\geq a}$$となる.
また$${a<0}$$の時も同様に
定義より$${|a|=-a>0>a}$$である.
したがって $${|a|\geq a}$$となることが示された.
(ii)の証明
$${a\geq0}$$の時は定義より$${|a|=a\geq 0\geq-a}$$となる.
また$${a<0}$$のとき
定義より$${|a|=-a\geq-a}$$
したがって$${|a|\geq -a}$$が示された.
(iii)の証明
$${|a+b|\geq0}$$のとき
定義より$${|a+b|=a+b}$$.
ここで(i)より$${|a|\geq a, |b|\geq b}$$なので$${a+b \leq |a|+|b|}$$.
よって$${|a+b|\leq |a|+|b|}$$.
また$${|a+b|\leq0}$$のとき
定義より$${|a+b|=-(a+b)}$$.
ここで(ii)より
$${-a \leq |a|, -b \leq |b|}$$なので$${-(a+b) \leq |a|+|b|}$$.
よって,$${|a+b|\leq |a|+|b|}$$.
以上よりa,bが実数のとき題意が成り立つ.