いじめについて
最近若者の自殺の原因の一つになっている“いじめ”問題について、考察もいろいろされているようですが、私なりの考えを少しまとめてみました。
私の子供の頃にも、もちろん“いじめ”はありました。そのこと自体は今も昔も変わりません。ガキ大将やいじめっ子は普通にいました。では、なぜここまで問題がエスカレートして、自殺に追い込まれる被害者が出るようになってしまったのでしょうか。
以前の記事「感謝の心」でも少し触れているので、こちらもご覧ください。
いじめようとする時の心理には、妬みやひがみがあります。他人を貶めることで、自分を優位に立ち、満足感や幸福感を得ようとするものです。人の不幸を喜ぶ心理は少なからず誰にでもあります。
昔のガキ大将やいじめっ子は、家庭環境に問題のある子が多くいました。うっぷんを晴らすかのように弱い者いじめをしていたのです。しかし、今は普通の子供もいじめる側に立っています。いじめる行為が常態化して、当たり前のようになっています。当然のことながら、これが大人になっても続きます。職場でも同じことが繰り返され、パワーハラスメントが起こります。これが原因で不幸な自殺も起きてしまうのです。
セクハラやパワハラのやっている側に、罪の意識はありません。「そんなつもりじゃあなかった」と皆判で押したようにそう言います。悪かったとは思っていない証拠です。
これは、学校での道徳教育の不備や質の低下もあるでしょうが、それだけではないように私は思っています。では、黒幕はいったい誰なんでしょうか。
私は、メディア、特にテレビの罪は大きいと思っています。
最もひどいと思う番組は、“ドッキリ系”の番組です。
これはいじめの見本市のような番組で、最近も芸人が被害にあい負傷する事故も発生しています。出演を餌にして釣り、文句を言わせないというのはテレビ局の暴挙以外の何物でもありません。全くひどい話です。
昔のドッキリはただのサプライズ形式でした。それが受け狙いでネタをエスカレートさせ、今は完全ないじめです。毎週毎週いじめの教科書を放映して、やり方を指導しているのです。視聴者もそれを面白がって毎週見ているのです。「私もやってみよう、楽しそうだ」。これでは社会全体がおかしくなっても仕方がないと思います。やられた方がバカで、文句の一つも言えない状況になってしまっているのです。
おかしいと思いませんか。皆気づいてほしいと思います。
自分のしていることに、相手がどう思うか、昔は「自分がされて嫌なことは、絶対人にもするな」と、教わりました。今は逆で、自分がされて嫌なことをネタとして探して、それをターゲットにやるのです。これをいじめと言わずして何というのでしょうか。
これこそがいじめの最大の要因だと思います。
そんな番組が溢れていて、見ているうちに腹立たしくなって、今ではもうテレビは家にはありません。情報ならインターネット経由でいくらでも手に入る時代になったのですから、それで充分なのです。
今テレビで“ドッキリ”を見て笑っているあなた、いじめに加担しているかもしれませんよ。気を付けてくださいね。
以上“いじめ”に関する私の考えでした。
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