#依存

小さい頃の記憶があまりなくて、でも中学生の頃、母が父に怒鳴られていた光景がずっと忘れられない。あれは現実だったのか夢だったのかわからない。でも私は「家族が嫌い」という感情だけは覚えている。それから私が社会人になるまで父は単身赴任をしていて、7〜8年は一緒に暮らしてはいなかったけど、それでも実家が嫌いで家に帰りたくなかった。ちょうど中学3年の時、初めての彼氏ができて、それはもう楽しくて楽しくて。家に帰りたくないこともあり、なんでも彼氏を優先した。今思えばバカバカしいと思うこともあるけど、日本映画とかで学生の恋愛の話で「一生分の恋をした」みたいなのよくあるけど、本当にそれで、映画なんかよりもリアルで、一生分の恋だったし、あんなに身も心も削るような恋愛もうしたくはない。それでもあの時は必至で彼の全てを私で埋めたかったんだと思う。あの頃から、人に依存する性格になってしまったのだろうか。彼なしでは生きられないと本気で思っていたし、彼といればなんでもできるような気がしていた。大学生になってから、これはヤバイと思って、いわゆる「メンヘラ気質」をどうにかしようと、予定をぎっしり埋め、バイト、サークル、授業、教習所、友達と飲み会、休みなく働き、遊んだ。恋愛以外のことも楽しかった。そのおかげで大学時代に付き合った彼氏とはいいバランスで付き合えた。お互いの時間は自由に過ごしたし、一緒にいる時はふたりの世界があった。うまくメンヘラを脱せたと思っていた。社会人になってから何人かと付き合ったけど、これはまた学生とは違って、「恋愛に対する優先度が相互で違うとうまくいかない」ことに気が付いた。私の中では、仕事→友達→趣味→彼氏、なのに、相手に友達が少ない(私は小学生から東京住みだから今までの友達はほぼ東京にいて、いつでも会える。でも地方出身の彼氏だった場合、東京にいてすぐに会える友達は少ない、という意味で友達が少ない、です)とか。趣味が少ないとか。そうすると、彼女への優先度が高まって、違和感を覚える。これでまたつまずいた。でも、いいじゃん全然メンヘラ脱してるよ!強い女になったじゃん!って思ってた。

なのに、だ。

私は人への依存がやめられない。それは彼氏じゃなくても恋人じゃなくても良かったんだ、と最近気が付いた。誰からもラインがこない日なんて無理。信じられない。毎日ラインしてないとだめ。それは友達でも、先輩でも、アプリで知り合った人でも誰でも良かった。誰かと繋がっている時間に幸福度と優越感を覚えていた。

これでは全く自立できていない。

ただ「人」に依存しているだけである。

これでは彼氏色に染まっていたハッピーな15歳の頃からなにも変わっていない。どうしたらこの依存は治せるんだろう。ギャンブルにハマっている上司をバカにしていた。お酒に溺れている先輩をバカにしていた。でも同じことである。人はもちろん一人では生きていけないし、私はフェミニストとして「人々の共存」を訴えたい。でも、共存と依存は違いすぎる。スマホやケータイのない時代に生まれたかった、とたらればを言ったらきりがないけれど、自分以外のもののせいにしても意味がない。いい解決策を見つけなきゃ。