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AIマスターへの5段階 - 敵との共生を目指して

AIと格闘しすぎて目が真っ赤になってきたKey君です。最近、AIにハマりすぎて、自分の創作の本質を見失いそうになっていませんか?私もその道を歩んできました。 今日は、AIと付き合うための5つのステージについて、私の実経験を交えながらお話ししたいと思います。

AIと人間の関係性の変容

1. 失望期(The Disappointment)

去年の10月、初めてGPT-3.5で小説を書こうとした時のことを、今でも鮮明に覚えています。
「これは...なんだろう?」
AIの出力には、どこか不気味な違和感が漂っていました。人間の文章に似て非なるもの。その異質さに落胆し、しばらくAIには触れないことにしました。
この段階の特徴は、理解なき試行にあります。AIの本質を理解しようとせず、表面的な結果だけを求めてしまう。その結果、技術への不信が生まれ、投げやりな態度に陥ってしまいます。しかし、この失望こそが、次のステージへの重要な一歩となるのです。

2. 陶酔期(The Intoxication)

転機は今年の3月、Claude 3 Opusとの出会いでした。
私は外国人なので、日本語の文章校正には常に悩まされていました。でも、Claudeは私の「悲しみ」を解決してくれた。その時の感動は今でも忘れられません。
この段階では、成功体験が積み重なり始めます。テクニカルな習熟(プロンプトへの理解)が進み、AIの可能性に心が踊ります。時としてネットで流れている楽観的な未来像に陶酔してしまうほど。しかし、この陶酔感こそが、次の危険な段階への伏線となっているのです。

3. 寄生期(The Parasitism)

今年の4月から9月のこと。熱心にプロンプトを勉強し、AI資格を取得し、SNSで最新情報を追いかける日々。「AIとの共創」という甘美な幻想に浸っていました。
生物学における寄生の定義を借りると、AIと人間の関係は次のように表現できます:

AIという「寄生体」が、人間という「宿主」の創造性という養分を吸収し、自らの機能を拡大させていく。その過程で、宿主である人間の創造力は徐々に衰えていく。

「寄生」の定義

AIの存在が当たり前になり、AIの出力に感動しなくなります。新しいモデルが出たとしても、その精度向上に驚かなくなり、むしろ「まだこの程度か」になってしまいます。
この段階の本質は深まる依存にあります。AIへの依存は不可逆な変化をもたらし、徐々に自己喪失が始まっていきます。

4. 破滅期(The Devastation)

9月末のコンクール。締切に間に合わせるため、ほぼすべてをAIに頼って創作しました。作品は完成しましたが...なぜか言葉にできない喪失感だけが残りました。
「あぁ、このままじゃおしまいだな」
創作の達成感が失われ、書くことの喜びが見つからない。
この段階では、作家としての死を経験します。しかし、この絶望を通じてこそ、AIとの関係性についての本質的な理解が芽生えます。「破滅なくして真の理解なし」という言葉の通り。

5. 共生期(The Symbiosis)

先日参加した「小説家のためのAI活用」イベントで、衝撃的な言葉に出会いました。

「ChatGPTは作家の敵である」
その時の気付くを書いたのがこの記事です。
人間はAIに滅ぼされます。そうな未来が見えてきました。
そして、そのような未来が必然的に到来するだとすると、今から準備するのはどうでしょう?敵は倒すものではなく、敵と共生関係を築くのはどうでしょう?
私はこの論点を「希望的な破滅論」と呼んでいます
AIの対立的な使用を通じて、創造的な緊張関係(テンション)を維持します。それは単なる道具としての使用ではなく、創発と還元主義で役割分担する関係です。善悪二元論を越えて、中間地帯で模索しながら進めていくイメージです。

まとめ

この5段階は、必ずしも順番通りに進むわけではありません。行ったり来たりしながら、螺旋状に進んでいくイメージです。
特に「破滅期」は、多くの人が避けたがる段階ですが、実は最も重要な転換点となります。この死と再生のプロセスを経てこそ、AIとの真の共生が実現するのです。
AIにはまり始める方も、この記事を読んで落胆しなくても大丈夫です。一旦徹底的に使い、自分を破滅させてみてはいかがでしょうか?
AIとのスマートな付き合い方を更に知りたい方はぜひ以下の記事もチェックしてみてください。

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