【暇人日記】一番好きな文字はなんですか?
わたしは「す」だ。
どれほど好きかというと、「ねえねえ、なんの文字が1番好き?」と聞かれる機会があったら、
「なんの文字が」くらいで相手の質問に割り込んで「す!!!」と即答するほどである。
だが今のところそんな機会は訪れていないので、だれか私になんの文字が1番好きか聞いてくれないかなと思っているこの頃だ。
今日は移動時間3時間、予定1時間の、
ほぼ移動時間のような予定があったので、
電車の中で思う存分「す」の良さについて考えていた。
「す」のよさはなんといっても、副詞にある。
すやすや、すいすい、すたすた。
どれも軽やかでなんだか可愛らしい。
粘り気がない感じがとても好みだ。
きっと、「す」が入ると一気に言葉の重量が軽くなるのだと思っている。
すのつく副詞の中で1番好きなのが「すくすく」。
すくすく育つ。
おひさまの光をたくさん浴びて、たくさんのぬくもりの中でのびのびと、元気いっぱいに。
なんて健康的な言葉なのだろうと、いつもうっとりしてしまう。
もう自分の歳に使える言葉ではないのだが、わたしもすくすく生きたい。
育つは無理があっても、すくすく生きるなら何歳でも使えると勝手に思っている。
すくすく生きます。
他にも「す(素)」も大好きだ。
わたしが大好きな人たちは、みんなどこにいても素でいる強さをもった人たちだからだ。
どこにいても飾らず素でいる人に、いつも惹かれてしまう。
わたしは、ちょっと飾ってしまうし、人に結構合わせてしまうけれど。
すんすん、も良い。
すんすん、という単語が辞書にあるのかは謎だが、
私のイメージのすんすんは、
犬が何かおいしそうなものを見つけて鼻を近づけて「すんすん」。
これはなんだろう、いいものに違いない。すんすん。
すっぽかす。
いい意味では使われないが、なんだか響きが可愛くてわたしは好きだ。
人生テキトウに生きてる感じも、ちょっと舐めてる感じも、すこし羨ましかったりする。
電車の中で「す」について考えていたら、
だんだんとうとうとしてきて途中から記憶がないのだが、
やっぱり「す」はよい。
人を寝かしつける力もあるようだ。
そして文字自体の魅力。
す。
すすすすすすすす
すすすすすすすす
すすすすすすすす
すすすすすすすす
こういうの、ゲシュタルト崩壊というのだっけ。
ですます、文末でよーーく使う「す」なのに、
こう見ると本当にこれは日本語なのか?という感覚に陥る。
よく見る「す」、いつも使う「す」、
それでもなんだか距離感を感じてしまうあたりも「す」の魅力だ。
すってんころりん、すっとんとん。