
【暇人日記】何もできないので実家に帰る
生理前だからか、単に疲れが溜まっているからなのか、
昨日の夜から動けない。
ベッドの上で石のように固まっては、思い出したように涙をこぼすということを交互に今日の午前中まで繰り返していた。
もともと今日は有休をとっていて、
どこか少し遠出をしようと思っていたのだけれど、
行きたい場所もないし、気力もない。
8時に起床したはずなのに、
ベッドの上にカチコチに座り続けていたら12時になっていた。
動かなきゃ、と思うのに頭からの伝言が体に届かず、やはり動けない。
でも、お腹はぺこぺこで、食べないことには何も始まらない、腹が減っては戦はできぬだ、と自分に強く言い聞かせ、
泣きながらチャーハンを作って食べた。
洗い物を増やしたくないから、フライパンのまま食べた。
わたしは私生活が真面目だ。とても真面目なのだと思う。
だから家にいると、掃除しなきゃ洗濯しなきゃと、目に入るもの全てから家事を連想してしまい、なんだかんだ動いてしまう。
今日はどうしても動けないのに、
やったほうがよい家事はどんどん思いついてしまう。
やったほうがよいことがあるのに、動けない自分に悲しくなってまたしくしくと泣き始める。
今日はもう、ダメみたいだ。
今日は実家に帰ろう。
そう決めて、いつものお泊まりセットをバッグに詰める。
土曜日に実家に帰って、昨日一人暮らしの家に戻ってきたばかりであるけれど、だ。
何も状況は変わっていないのに、
実家に帰ろうと決めただけで、かなり楽になった。
話せる人がいる。
ご飯はきっと何かしらある。
安心安全の自分の部屋のぬくぬくベッドで疲れるくらい泣いてしまおう。
最寄駅まで着いてから考える。
帰ってきて第一声、なんて言おう。
「なんか帰ってきちゃった」とか?
「もう今日は無理」とか?
色々考えるけれど、どんな言葉でもきっと心配をさせてしまうのだろうな、と思いながらトボトボ歩く。
ガチャ。
何も言わずに玄関を開ける。
電気のついたリビングに入ると、
妹と母が目を丸くして「びっくりしたぁ…心臓止まるかと思ったよ」と。
そういえば、帰ると伝えていなかったのだった、とそこで気づく。
違う意味で驚かせてしまった。
「どうしたの?」
母が聞く。
「うーん、なんかもう今日は無理っぽい。動けない動きたくない、家事もしたくない」
そう言って椅子に腰掛ける。
また涙が溢れる。
でも午前中の涙よりは、すこし安心の涙に近い気がした。
妹が作ったというパスタとポテサラ、ミネストローネを食べる。
たまたま多めに作っていたとのことだった。
人が作った料理ってこんなにおいしいのか、と若干感動しながら味わって食べた。
帰ってきてよかった。
なぁんだ、いつでも帰れるじゃないか、とも思う。
つらい、と言えるようになったのだなわたし。
少し遠いけれど、明日は久々に実家から通勤する予定だ。