
新年の抱負との向き合い方
新年になって、今年も懲りずに年初の抱負を作りました。僕にとって今年は、学生時代が終わって社会に出る、大きめの節目になる年です。そんな気分も相まって、4つも目標を立てました。
・体力をつける
・文章を書く
・人脈を広げる
・笑顔で接する
とはいっても、春になって暖かくなり始めると、年初の気持ちは冷めていくものです。そして、年の瀬になって、やっと後悔とともに思い出すことになります。
どうしたら熱い気持ちを維持できるのか、長年悩み続けてきました。そして、現時点での答えは、、、「打ち手なし」です。どう考えても、年初の意気込みを365日間持ち続けるのは無理です。
大前研一さんも、人が変わる時は意志の力によってではないと言っているじゃないですか。だから、年初の目標を達成するには、年初のうちに目標達成の仕組みを作っておくことが重要です。そんな話を聞いたことがあります。
仕組み化は100%正しい戦略だと思います。でも、村上春樹さんの『職業としての小説家』という本を読んで、それ以上に重要なことがある気がしてきました。
それは、自分が「資格」を持っている分野で目標を立てることです。
村上さんは、小説家に求められる資質として、小説を書きたいという欲求を持ち続けられるかという点を指摘しています。しかし、その欲求を維持するための方法には、ほとんど触れていません。むしろ、天賦のもののように考えている節がありそうです。
小説をひとつ書くのはそれほどむずかしくない。
(中略)
しかし小説をずっと書き続けるというのはずいぶんむずかしい。誰にもできることではない。そうするには、さっきも申し上げましたように、特別な資格のようなものがひつようになってくるからです。それはおそらく「才能」とはちょっと別のところにあるものでしょう。
小説を書くという目標に限らず、どんな目標であれ、その目標を追いかけ続けるには資格が必要なのでしょう。それは、メンタルとかスキルとか才能とかではなく、純粋な相性の問題。だからこそ、資格が欠けている場合、取り返しがつかないのです。
自分に資格があるかどうかは、実際に目標を追いかけてみないと分かりません。この点は結果論にならざるを得ません。
だから、目標を忘れても悲しまないことにします。僕にはその資格がなかったということですから。そして、決して忘れることのない天啓のような目標に出会うまで、諦めずに抱負を作り続けます。
英語にエピファニー (epiphany) という言葉があります。日本語に訳せば「本質の突然の顕現」「直観的な真実把握」というようなむずかしいことになります。平たく言えば、「ある日突然何かが目の前にさっと現れて、それによってものごとの様相が一変してしまう」という感じです。