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『頭の良くなる「短い、短い」文章術』から学んだこと
『頭の良くなる「短い、短い」文章術』を読んだ。
中島聡さんの著書『結局、人生はアウトプットで決まる』で、〝私の文体を劇的に変えた本〟として紹介されていたのがきっかけだった。
「人生は、短い文章の積み重なりである。」
この本の書き出しのフレーズだ。こんな書き出しをされたら続きが気になって仕方がない。
著者は轡田隆史(くつわだ たかふみ)さん。
新聞記者として40年以上活動し、「短い文章」を書いてきたとのこと。なかでも現役最後の8年間は、朝日新聞(夕刊)のコラム『素粒子』を210字で記すことをしていたようだ。
本には、著者からの提言として次の内容が書かれている。これが一番言いたいこと、この本の根底にあるものだと感じた。
いつでも、「短い文章」を書くようにして考えよう。考える行為とは、「短い文章」を頭のなかでいくつも作文することである。
あれこれ漠然と考えてから書く、のではなくて、はじめから「短い文章」そのものを考える。つまり、「考える」とは「短い文章」を考えることなのだ。
「書きたいこと」を見つける方法
「書きたいこと」を見つけるには、「書きたいこと」を見つけるように生きるしかない。書くようにして生き、考える。ボンヤリしてはいけない。
「感動」したことが出発点となる。
書くように観察する。書くように考える。この感動を書きたい! という思いがわいたら「短い文章」であらわそう。
常に自問自答を繰り返すこと。「なぜか?」を考察すること。何について書いたとしても、何らかの形で「なぜ?」が書いていなければならない。なぜ、それをやったのか。もし無意識に行ったことだとしても、どうしてそれを無意識にやってしまったのか、という「なぜ?」を考えることはできるはずだ。
書くときに決めること
書くべき文字数をあらかじめ決めておく。文字数は原稿用紙のマス目を基準に20字、40字、50字、100字といった単位で決める。文字数と一緒に制限時間も決めたほうがいい。
文字数に制限を設けないとダラダラと書いてしまい、考えはまとまらず、だらしない文章になってしまう。
スパッと最後まで書く方法
勢いよく最後まで書き進めよう。
そのためには飾らない文章を書くこと。飾ろうとすると言葉を探す手間がかかる。
それから言いたいことをポンと書いてしまうこと。一般的な前置きを書いてしまうと「言い訳」じみてしまうから気をつけたほうがいい。威勢よく、景気よく、言いたいことをパッと書いてしまったほうが気持ちよい。
定型その1 「吾輩は猫である」方式でつなげる
「AはBである」+補足説明を文章の基本構造とする。これに「なぜ?」をつなげて膨らませていく。
ポンと言い切り、それがなぜかを説明する。話題を展開して、またそれがなぜかを説明する。書きながら考え、考えながら書き進む。「なぜ」を書き加える作業が文章の楽しみと言ってもいい。
困ったら「吾輩は猫である。名前はまだない」を思い出そう。
これが文章の定型となる。
定型その2 新聞文章をまねる
書けなくなったら新聞の定型をまねてみる。
①いつ ②どこで ③だれが(何が) ④何をしたか(何が起きたか、何があったか
これに ⑤どのように ⑥なぜ の要素を加えれば、とりあえず文章の形にはなる。
読み手の関心をひきつける方法
ニュース性、つまり読み手に取っての新しい見聞や意外性を文章に盛り込む必要がある。これは対象を丁寧に観察し、それを具体的に書くことでしか実現できない。
「朝起きて、顔を洗った」
より
「朝起きて、顔も洗わずに家を出た。試験の時間に遅れそうだ」
のほうが伝えたいメッセージがありそうでしょう?
まとめ
「短い文章」を考えるのが基本。
言いたいことをズバッと書いて「吾輩は猫である。名前はまだない」方式で畳みかける。
「なぜ?」を書き加え「なぜ?」を連打する。
『頭の良くなる「短い、短い」文章術』は良書だ。書きながら考え、考えながら書き進む。それが楽しい。