見出し画像

#4 ブッキング編 - 経験ゼロからフェス「岩壁音楽祭」を立ち上げるまで

5月に立ち上げたフェス「岩壁音楽祭」について、未経験者がフェスを開催することのリアルな内情を連載していきます。

今回はブッキング編です。フェスのカラーを決定づける出演アーティストのラインナップ。アーティストの候補出しから連絡まで、そのプロセスを公開します。

本連載はすべてこちらにまとめています。“オープンソースなフェス”として連載し、来年以降も継続していきます。

岩壁音楽祭2019のラインナップ

「岩壁音楽祭2019」の出演アーティストはこんな感じでした。
フジロックなど有名フェス出演アーティストや、東京・山形のローカルで精力的にプレイするDJたちなど、幅広く混在しています。
総ブッキング費は約100万~200万くらいの規模。

画像3

そして当日のタイムテーブルはこんな感じ。
フェスのイメージがぐっと具体的に...。

画像4

WALL STAGE(アーティストライブ)は日中のピースフルな雰囲気から徐々にハードな音に移行。反対にTHE CAVE(DJフロア)はミニマルめでスタートし、最終的にディスコなどの明るい音楽になっていくという対比を意識してます。

このラインナップの裏にある考え方について紹介していきます。

仮ラインナップ想定

ブッキングの候補を出し、そこから仮のラインナップを作っていきます。
岩との組み合わせを考えると無限にアイデアが湧いてきますが、しっかりコンセプトが伝わるラインナップに落とし込んでいきます。

①ブレスト
岩壁音楽祭は完全に場所ありきで始まったフェス。そもそもこの場所に出会っていなかったらフェスをやろうなんて思っていませんでした。
まずはロケーションに触発され、この場所で聴きたいアーティストをどんどん案出ししていきます。

画像6

②コンセプトとの照合
そこから仮のラインナップを想定していきます。ラインナップに軸を持たせるため、判断の基準としてコンセプトと照らし合わせる作業をしました。

スクリーンショット 2019-10-03 12.28.54

会場は石工たちが命がけで岩を切り開いた場所。そこでのパフォーマンスするのは、新しい挑戦を続け、可能性を切り開いてる方々にオファーしたい。

運営メンバー間で共有していたニュアンスを、コンセプトという形で言語化。これによって微妙な判断にも理由を持たせることができる。と同時に、いよいよ”フェス像”が浮き上がってくる瞬間でもあります。

③自分たちがやる意味
最後に、「せっかく自分たちがやるなら」という部分を考えていきます。

例えば、運営メンバーは20代の同世代が多く、アーティストのラインナップも、その層に支持されるアーティストを中心にしました。大型のフェスは年齢層も幅広いため、そういったフェスと比較すると岩壁音楽祭はより若い層にピンポイントで訴求することになります

また、東京・山形ローカルのDJたちも合わせてラインナップしているのも岩壁音楽祭 特有のカラーにつながっています。これは後で詳しく。

いざブッキング

仮のラインナップを想定したら、いよいよブッキング打診の連絡をしていきます。
自分はブッキングに関しては完全なる素人だったので、連絡系は他のメンバーに任せていました。もし「もっとこうした方がいい」みたいな指摘などあれば、アドバイスいただけると嬉しいです。

・オフィシャルのコンタクトから連絡
これは一番スタンダードかも。メール文はこんな感じでした。

スクリーンショット 2019-10-01 12.38.49

過去実績のないフェスなのでとにかく概要をまとめ、企画書を添付。

・ツテで担当者に直で相談
ツテがある場合は、担当者に直で相談してました。この辺は究極のケースバイケースなので詳述はしません。

と、進めていくうちに重要なことに気づきました。

「あれ?グリーンルーム??」

スケジュールNGが多いな~と思っていたら、横浜赤レンガ倉庫でやる有名フェスと日程が被っていることに気づきました。痛恨。

当たり前すぎますが、フェスを開催するならカラーや客層が被る他フェスの日程をしっかり確認した方がいいです。
「岩壁音楽祭2020」は6月6日(土)-6月7日(日)開催予定です。よろしくお願いします。

*岩壁音楽祭2020の開催日は10/31(土)-11/1(日)に変更となりました。(2020/4/10)

各地ローカルDJにも触れられるフェス

岩壁音楽祭は、東京・山形ローカルのDJたちもブッキング。
これは、東京・山形の2都市で、普段から様々なハコに通う運営メンバーだからこそ生まれた特徴です。日々のパーティーの延長線上にフェスを位置づけ、特有のカラーにつながっています

出演DJ:
AJIKI(山形)、boy.(山形)、imdkm(山形/ライター)、INTRINSIC(東京/インスタレーション)、Kotsu(東京)、KYTE(山形)、OSAM(山形)、SAITO(山形)、STILLMOMENT(福島)、Too Young To Love(東京)

DJたちは主に洞窟の中でプレイしてもらいました。オープンからクローズまでノンストップです。

東京のDJは、とにかく東北との出会いが新鮮でした。関東圏外の人にとって、東京のパーティーに行くのは経済的にも心理的にもハードルが高い。山形の洞窟に東京のハコのような時間が訪れ、東北のディープなファンに刺さりました。

岩壁音楽祭ではアーティストのライブだけでなく、各地のパーティーが採石場跡の洞窟で交差するモーメントも見どころです

画像6

次回は

次回は会場設営編。
秘境すぎて会場図面がなく、測量から始めなくてはいけなかった岩壁音楽祭。現地調査から当日設営まで、会場をどのように作ったのかを公開します。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集