少女から成人へ

なあ孤独な同士諸君よ

私の人生を覗いて同情でもしてくれないか



14歳、自分のことが可愛くて仕方なかった
私はこの世界で特別だと思っていた。
ミュージックビデオに出てくる海辺に佇むセーラー服の少女みたいに、自分の命も儚くて、誰かに必要とされるものでありたかった。

画面の向こうにいる憧れの存在に手が届くかもなんて妄想して、鞄に詩集をつめてお気に入りのカーディガンを羽織った私は、私の世界の唯一無二のヒロインだった。

15歳、あんまり私って特別じゃないのかもって気づいちゃった。
私は天才になれない、って証明されていく日々が苦しくて、何者かになりたくて、何者かの仮面を被って自分を守るために、自分の心を押し殺して毎日毎日机に向かった。手を動かしていた。

見える数字で高く評価されることだけが私を守ってくれた。

皆が目標に向かって努力している姿見て、私はなぜ努力しているんだろうと虚しくなった。

ただ、自分のプライドが許さないという理由では頑張れなくなってしまった。

高校に行きたい訳では無いのに、
行きたい大学がある訳では無いのに、
もう頑張りたいと思えないのに、

ラベル付けされていく試験を乗り越えるのが辛かった。私の価値がこんなラベルで決まるような気がして苦しかった。

もう、生きるのを辞めてしまえばこんなに苦しくは無いんじゃないかと毎日死に近づこうとしていた

私は私を守れないし、何も出来ない私のことを認めてくれるほど社会は甘くない。

あと3年生きても、こんなに苦しいのが変わらなかったら死のうと決意した。

16歳、途中で投げ出した高校受験。
最初に受けた試験が受かっていたらしい。
県内ではまあそこそこ名の知れた場所に入学した。

また作り直しの人間関係

リセットされた私のラベル
次こそもう頑張らなくていいキャラでいようと思ってた、

だけれど出来ない子扱いが苦しくなった。
私は出来るのに、って気持ちと頑張らなくて出来る範囲だけした方が楽だ、って気持ちが闘ってた。

頑張ってみたら、もうずっと出来る子のラベルが剥がれないようにしなきゃいけないのを知ってた。

頑張ってみた。

心と体を上手に操れない私は、人より休むことが多くなった。
遅れてくることが多い私のことを優しく受け入れてくれる人ばかりだった。教室が怖くなかったのは久しぶりで嬉しかった。

17歳、

17歳の誕生日に会いに飛行機に乗って来てくれた好きな人には次の日振られた、うーん恋愛は難しい。

人の気持ちが分からなくて、どうしたら空気が読めるんだろうって、小学生の時とおなじ悩みを抱えながら学校に行っていた。
どうやら私はクラス替えの運があまりなかったみたいで、話したことのない人に嫌われていた。

教室が怖くて階段を上がれない感覚、何年ぶりかで、息が苦しくなって、立ち止まって泣いてしまった。

何となく、心が折れたことを察した。

教室にいる誰からも、必要ともされず、不必要とも言われず、私が勝手に苦しいだけで、もう耐えられなくなってしまって、行けなくなった。

泣きながら自転車を漕いで、生きて帰ってくることだけを目標にして、生きのびていた。

高校を変えて、出来ない子のラベルに張り替えられた私は、頑張るのを辞めた。

それから、誕生日のときに振られた好きな人が振り向いてくれた!そういうパターンもあるんだなー。

18歳、

成人してしまった!

15歳のとき18歳で死のうって思っていた私へ
生きているよ、3年前よりこの世界で息をするのが上手になってきて、たまに溺れそうになるけれど、引っ張りあげてくれる人が傍に居てくれるようになったよ、貴方の努力が報われているかどうかはさておき、死ななくてよかったと思える出来事が日々に溢れているから、大丈夫。

自分の少女である、というステータスが消えて成人してしまって、私は抗いたくて子供を名乗る。

まだ厨二病は抜けてないし、人が怖いし、社会も怖いし、将来も怖い。

半年後の私へ
何とかなっていたら嬉しいです、生きていてね。

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